Monday, October 25, 2010

Pierre-Laurent Aimard @QEH

今年もサウスバンク・センターでのInternational Piano Seriesが始まりました。
オープニングの内田光子さんのはうかうかしているうちに聞き逃してしまいましたが、先日19日、ピエール=ローラン・エマールを聴きにいってきました。

Programme

George Benjamin: Fantasy on Iambic Rhythm for piano
Maurice Ravel: Miroirs for piano
Interval
Fryderyk Chopin: Berceuse in D flat, Op.57
Fryderyk Chopin: Scherzo No.2 in B flat minor, Op.31
Ludwig van Beethoven: 15 Variations and Fugue on an original theme in E flat (Eroica), Op.35

最初のベンジャミンは、現代曲で作曲家自身が列席していたので、終わってから一緒に挨拶してました。個人的には、う〜んという感じの曲でした。ラヴェルの「鏡」は、昔から大好きな組曲だったのですが生で聞くのは初めて。印象画の複雑に絡み合った雰囲気を、いわば打楽器の親戚であるピアノでオーケストラの様に表現という、ラヴェルだからこそできた高等芸術を、同じフランス人エマールは、意外に乾いた音で、でもなめらかに弾いていて印象的でした。
後半は、先シーズンも生誕200周年記念で、いろいろなショパン作品を聴きましたが、この二曲は、やっぱりよくプログラムに入っているのピアニストが好む曲なのでしょうか。
エロイカのテーマによるヴアリエーションは、軽妙ながらもかちっと芯の通った演奏でリサイタルの終わりを締めくくるセンスの良いプログラムでしたが、終わった後、うぁ〜すごかった!という感動はなく、良い意味でリラックス/気分転換できたね、という感じでした。それがいいのか悪いのかは、ちょっと微妙なラインだと思いました。

Wednesday, October 6, 2010

Break




・・・ただいま『
きょうの猫村さん』ちゅうなり・・・

Sunday, September 5, 2010

Scott Pilgrim Vs the World

アメコミファンでなくとも、Geekでなくとも、Emoが解る程若くなくても(笑)

これは、お勧め!!




さすが、エドガー・ライトが監督。そしてマイケル・セラのキャラ、はまりすぎ!
全編笑い転げ、そして観終わってからなんか若いっていいなぁ〜とぽわわんと心が温かくなった作品でした。

Sunday, August 22, 2010

Toy Story 3

男もじょじょ泣きするくらいすごいという噂のToy Story 3を観にいった。
トイ・ストーリーが、初公開されたのは1995年だから、すでにそれから15年が経った事になる。トイ・ストーリーとともに、育った子供たちが、例えば初回作当時10歳だとして、もう25の立派な大人になっているわけである。
この15年間にアニメーションの世界は急激な進歩を遂げた。
トイ・ストーリーもその進歩とともに進化をとげ、最終作の3では、ウディーやバズが、なんと3Dとなって私たちの目の前に表れたのである。

そんな感慨に浸ってすでにノスタルジーなんかも感じつつ、久しぶりに大画面で観たトイ・ストーリー3は、細部にまでこだわりが一杯で、幸せな気分になって映画館を後にした。

日本人なら誰もが知っている(?)意外なアニメキャラが出てきて、これは全世界でヒットを狙って計算し尽くされた宣伝効果なのかと、ちょっとシニカルにとらえた私に、相棒がやんわりと「日本のアニメに対する敬意の表れじゃないかな」応えてくれた。本当かどうかは分からないけれど、そう思うとなんだか心がほっこりした。

すいませ〜ん! この3Dグラス、大きすぎるんですけどぉ?

Sunday, August 8, 2010

ナショナル・ギャラリー Exhibition

仕事やなんやらに取り紛れていて、だんだんとブログを書くのがおっくうとなり、気がついたら4ヶ月近くも放置してました。。(汗)

ロンドンの夏、といえば観光客の群れ!
Tubeは暑いし、バスは臭いし、BRは止まるし(笑)、週末にまで中心街に行く気力が欠けがちですが、先日思い切ってナショナル・ギャラリーを久しぶりに訪ねました。ただし目的は、混み合うメイン・ギャラリーでなく、無料で開かれているエキシビジョンです。

その名もClose Examination: Fakes, Mistakes and Discoveries

セインズベリー棟の地下一階、仄暗い小部屋群にてひっそりと展示されています。このエキシビジョンは、ナショナル・ギャラリーによって過去購入された「オリジナル」の「希少な」名画たちが実は精巧な偽物だったり、安く購入した二流画が実は高名な画家の作品だったという発見とか、そういった珍しいケースを、検証、立証するまでの足跡を追った珍しい企画です。
やはり一番興味深いのは、偽物をどうあばきだしたのか?という探偵小説に勝るとも劣らないキューレーターたちの活躍ぶりを目の当たりにできる、という事でしょうか。

エキシビジョンは、9月12日まで。

Saturday, April 3, 2010

Fleet Foxes Robin Pecknold

Boy this guy can sing...!


Thursday, April 1, 2010

やっぱりオードリー・ヘップバーン

How to Steal a Million
邦題は「おしゃれ泥棒」。見事な訳!
先日テレビでたまたまやっていたのを観たら、やっぱりオードリー・ヘップバーン素敵だなぁと再発見の気分でした。ピーター・オトゥールが、めちゃくちゃ若くてハンサムで、びしっと着こなしたスーツも似合ってて、いつから男も女もなんか着こなしがだらしなくなっちゃったのかなぁとちょっと自分も含めて反省。
特に良かったのが、最後の方のキスシーン。その時のオードリーの台詞の言い方が、とってもおしゃれで、オットと二人ぽ〜っとなりました。

このyoutubeクリップは、二人が初めて出会うシーン。オードリー・ヘップバーンは寝間着姿でもおしゃれ。。(しかも化粧もばっちりなのがちょっと笑える)。

Sunday, March 28, 2010

初挑戦 第二弾 ベイクドチーズケーキ

ケーキ類はほとんど焼いた事がなかったけれど、いつか挑戦しようと思っていたのが、ベイクドチーズケーキ。中々こちらではお目にかかれず、あったとしても、なんか繊細さにかけるお味に、要求不満がたまっていたので、これは自分で作るか、と重い腰をあげてネットでレシピを検索。参考にしたのは、「簡単!男でも作れるベイクドチーズケーキ」というレシピ。初心者の私にぴったりかと。(笑)実際分かりやすくて、簡単でしかもいわゆる日本の喫茶店のチーズケーキのお味そのままで、美味しかったです。


Tuesday, March 23, 2010

初挑戦 第一弾 豚まん編

しばらく前になるが、スコットランドの田舎暮らしという情緒あふれるブログで、著者のmeggymooさんが、私と同じく関西人らしく、豚まんが食べたくてたまらなくなり手作りしたという記事を読んで以来、私の頭から離れなくなってしまっていた手作り豚まんに、ついに初挑戦。とてもとてもぶさいくな出来ながら、お味の方は、もう豚まん〜〜!という感じで、大満足でした。meggymooさん、素晴らしきrevised recipeをありがとうございました!





包み方がきっと上手くなかったのか、やたらと皮が分厚くなってしまったので、まるで蒸しパン(?)のような感じになってしまったのが、ちょっと残念。次回は、皮薄め、中身どっさりを目指します。オットも、その場に居合わせた義姉も、どうかなぁ〜と思ったらモフモフいいながらすごい食べようで、嬉しかったけれど、これから独り占めできなくなりそう。。

Saturday, March 20, 2010

ウィリアム・モリスの家『レッド・ハウス』

ナショナル・トラストが、2003年にやっと買い取ったというレッド・ハウス。Bexleyheathというロンドン郊外のひなびた一角に、19世紀に生きた、詩人、画家、建築家、インテリアデザイナー、マルクス主義者...etcのウィリアム・モリスの家として公開されているというので、小雨の降る中探検にでかけました。

ウィリアム・モリスといえば、『これぞ英国!』的な壁紙デザインで有名だけれど、それだけでなく、詩人として活躍したり、かと思えば絵に凝ってダンテ・ガブリエル・ロセッティのもとに通い、友達になったり、その頃全盛期を迎えていたヴィクトリア調に反発して、子供の頃から憧れていたという『中世』イメージで家を建て、インテリアデザインも自ら手がけるなど型破りで、才能あふれる坊々だったよう。

1859年にロセッティらのモデルを務めていたジェーン・バーデンと結婚。翌60年に移り住んだ家が、緑に囲まれた一面赤いレンガ壁のおとぎ話に出てきそうなレッド・ハウス。建築は、フィリップ・ウェブで、その頃にはめずらしく雨水を再利用した水洗トイレまで設置してあったというから驚き。(でも、今はもうない。。)ウィリアム・モリスを有名にした草木や花、鳥のデザインは、残念ながらステンド・グラスくらいにしか残っていないのだけど、長年の個人所有を経て、やっとナショナル・トラスト所有になったので、これからちょこちょこ手がくわえられていけばいいなぁとおもった。

ロンドン・ブリッジから、Dartford行きのBRで40分ほど。Bexleyheath駅から住宅街を抜けて行くと、突然赤いレンガが見えてくるので、分かりやすい。ティールームは、むかし厩だったところを改造したとっても簡素なのがあり、ボランティアのおばあちゃんたちが、わいわい言いながらお茶を用意してくれるのが、好感度大でした。

Monday, March 15, 2010

Ireland won and...

土曜のIreland v Wales戦は、終わってみれば27-12で、アイルランドチームの圧勝!
100th capを祝ったブライアン・オドリスコルは引き立て役に徹し、若手オリーリーとアールズが大活躍、アイリッシュ選手層の厚さを見せつけた。

Tomás O'Learyのトライ。ラグビーうんちくを語るオットによると、片手でボールを持って走れるのは、ConfidenceとSkillがある証らしい。


Keith Earls (1987年生まれ・・・若い・・・)
どこぞのガキンチョのように見えるがガッツがすごい。トライを2つも決める活躍。

二人に比べるとなんだか老けて見える(?!)大ベテランの二人。
100th CapのBrian O'Driscollと101th CapのJohn Hayes

写真はすべてwww.rbs6nations.comから。

フランスに敗れながらも、まだSIx Nations優勝の可能性も残して最終戦スコットランド戦を迎えるアイルランドに比べて、全然元気のないイングランド・・・最下位のスコットランド相手に苦戦の末15-15の引き分けに。2003年にワールドカップ優勝したときの勢いはどこやら。。世代交代が上手く進まなかった例となってしまっていてなんとも歯がゆい。


おまけ

アイリッシュラグビーきっての変わり者といえば、このヒト!Donnaha O'Callaghan。ドナハ・オカラハンという名前からして、ものすごくアイリッシュな彼は、かなり前になるらしいけれど、こんなパフォーマンスを披露して話題になったことも。これをセクシーととるかグロテスクととるかは、意見のわかれるところかも。(笑)

Saturday, March 13, 2010

Springwatch & Sexy thighs...

Amazing what a week can do to those spring flowers...



先週末のアイルランドXイングランド戦も熱かったけれど、今週のSix Nationsは、もっとスペシャル:ブライアン・オドリスコルが何と国際試合100回目を迎えるのだ!先週100回目を一足先に勝利で祝ったジョン・ヘイズ(小山みたいな大男なのに、試合前のアイルランド讃歌を歌いながら目をうるうるさせたりするギャップがかわいい。。)に引き続きアイルランド勝利なるか?対するは強敵ウェールズ。今からどきどき。。。



Brian O'Driscollの勇姿(彼は身長178cmの小柄ながら体重95kgという超筋肉モリモリで、2m級のラガーマン相手に果敢にタックルを仕掛け、トライを決めるという万能選手。アイルランドが生んだ驚異の13番)



そして101回目の試合出場のJohn Hayes

Monday, March 8, 2010

Tulips and Daffodils

春の訪れを家の中に呼び来んだ日。一面に広がる青空は、抜けるように青く澄んでいたけれど、まだ肌寒い早春の日、イギリス音楽界を代表する大テナーが70歳の若さで亡くなったという悲しいニュースを受け取った。ほんの少しだけれど彼に会えて、そして彼の音楽を聴けて本当に幸運だったと思う。その温かい人柄は、特に沢山の若い音楽家たちに深い影響を及ぼしたという。ツィッターで昨日ニュースが駆け巡り、今日テレグラフに追悼記事が記載されたが、まだ現実の事だと信じられない。もう一度、彼の歌が聴きたかった。

フィリップ・ラングリッジ 享年70歳。(1939年12月16日−2010年3月5日)

蕾みふくらみはじめた春の花々に囲まれて、安らかに眠ってください。

Thursday, February 25, 2010

ピアノリサイタル@RFH

2月22日 ロイヤル・フェスティバル・ホールにて

International Piano Series

Krystian Zimerman クリスチャン・ツィメルマン

Programme

Fryderyk Chopin: Nocturne in F sharp minor, Op.15 No.2

Fryderyk Chopin: Piano Sonata No.2 in B flat minor, Op.35 (Marche funèbre)

Fryderyk Chopin: Scherzo No.2 in B flat minor, Op.31

Interval

Fryderyk Chopin: Piano Sonata No.3 in B minor, Op.58

Fryderyk Chopin: Barcarolle in F sharp, Op.60


Encore: Waltz C# minor


ショパンの生誕200周年記念の目玉は、現代最高峰といわれる二人のピアニストによるショパンの誕生日コンサート(ショパンの誕生日には、2説あるため)第一弾は、ポーランド出身のクリスチャン・ツィメルマン。何かとエキセントリックな側面にスポットライトがあたり、謎めいたその人柄にも興味津々だったが、初めて見る/聴くツィメルマンは、評判に違わない素晴らしいアーティストで、私にとってはこれまでで最高のコンサートの一つとなった。

満員のフェスティバル・ホールを、天井近くのバルコニー席(なんと£13にて購入!)から見下ろすと、それだけで目眩しそうなくらいだったが、舞台にさっそうと現れたツィメルマンは、自宅にでもいるように、リラックスした表情で最初のノクターンを披露し始める。非常にポピュラーなこの曲は、これまで何人ものピアニストが弾くのを聴いてきたけれど、その全てが遠い遠いかすかな記憶となってしまうくらい、もの凄い演奏だった。テクニックも、表現も、その全てが、まさに現代最高のピアニストにふさわしい。そんなツィメルマンの魔力にいい具合に脳をめちゃくちゃにされた一夜だった。めったにアンコールを弾かないらしいが、誕生日コンサートに敬意を表したのか、ワルツ嬰ハ短調をおまけにさらっと弾いて去って行った。その清々しい去り際から、本物のProfessional魂を垣間みたように思った。


面白いなぁと思うのが、IndependentとかTelegraphに出た、reviewがそこまで評価していないこと。特に、Telegraph Blogでは Krystian Zimerman: what a weirdoというタイトルまで付けられている。いつもながら、超一流の演奏ほど、評価がぱっくり分かれるというセオリーを見せつけられる思いだ。。。 


来週の月曜日(3月1日)は、誕生日コンサート第2弾。マウリツィオ・ポリーニが登場する。去年聴きに行って、そこまで感銘を受けなかったので、今年はパス。その次のリサイタルは、16日のユンディ・リ改めユンディのリサイタル。(てか、「・リ」を取っただけじゃんと思うが、、、)これもオール・ショパンで楽しみです。

Wednesday, February 17, 2010

ヴァレンタインのサプライズ

友人
− 今年のヴァレンタイン、何か予定あるの?

オット
− いちおう考えてるんだけど、サプライズなんだ。

という会話を漏れ聞いた(家計に敏感な)ツマ

− ヴァレンタインのサプライズ・プレゼントには、何か大げさなものでなくて、例えば、10ポンドくらいで収まるものにしてね。。

と念押し。

それが、先週の話。

さて迎えたヴァレンタイン・デー

とっておきの秘密の隠し場所からオットがツマに差し出したものは、、、

Every Good Boy Deserves Favour @ National Theatreのチケット!!!

EGBDFという頭文字は、音楽を読んだことのあるニンゲンならおそらくピンと来るはず、そう、五線譜の一般的な音の順序(ト音記号を使う方)なのです。Every Good Boy Deserves Favourと意味を持たせる事で、音の位置を覚えよう!というのから生まれた言葉なのですが、それをタイトルに持ってきたお芝居、となるとおのずから音楽が重要な意味を持って存在します。

そんなわけで、イギリス演劇界きっての大御所Tom Stoppard(トム・ストパード)が作曲家アンドレ・プレヴィンの依頼に応えて書いたこの作品、なんと舞台上にオーケストラも出演するという珍しいスタイルなのです。
去年、ナショナル・シアターで上演されて、それが高い評判となり、先月からまた再演がかかる事になったのは知っていましたが、まさかチケットが、それもヴァレンタイン・デーに取れるとは予想してなかったので、本当にサプライズでした。しかも、チケット代は一人10ポンドとお得。(しかも指定の予算内!)音楽と演劇がみごとに融合された舞台を堪能しました。

内容:
旧ソ連時代、反体制主義者である事は精神病であるとして、精神病棟にむりやり収容されたアレクサンダー・イヴァノフが、同じ個室を同名のイヴァノフと共有するところから話ははじまります。イヴァノフは、本物の統合失調症を患っており、目の前にオーケストラがいつも現れてしまうのです。超気真面目でシリアスなアレクサンダーと、幻のオケを引き連れたイヴァノフのそりが合うはずもなく、話はずっとずれたまま、医者、KGB幹部、アレクサンダーの息子(けなげに父を信じつつも、周囲の影響で段々と父が精神病でないという信念をゆるがせられてしまう)を巻き込んで、信じられないエンディングを迎えます。

アレクサンダー役は、テレビのAnti-drinkキャンペーンのCMでおなじみのAdrian Schiller。
素晴らしい役者さんでした。


Friday, February 12, 2010

Six Nationsはじまる


RBS Six Nations Official Websiteより

2009年は、アイルランドが全勝優勝グランドスラムを達成!ウェールズ戦の最後の最後まで、ハラハラドキドキの連続で、楽しませてくれた。さて、今年優勝するのは、どの国(というか地域?)??

初戦の結果

2月6日( 土)
アイルランド vs イタリア X
イングランド vs ウェールズ X

7日
X スコットランド vs フランス

アイルランド・イタリア戦は、初戦ということもあるのか、ちょっと試合運びも遅くてどちらもあまりぱっとしなかったけれど、昨年優勝の
アイルランドが優勢を保って余裕の初勝利。イングランド・ウェールズ戦は、ウェールズが意外に苦戦。イングランドの善戦もあって、イングランドの余裕の勝利。Jonny Wilkinsonが、すっかり本調子に戻ってきたのが頼もしいかぎり。
Wilkinsonといえば、このポーズがお決まり。

2003年ワールドカップ。イングランド初優勝。歓喜に包まれ、興奮に酔いしれていた土地に降り立った私は、この興奮の渦にあっという間にのみ込まれラグビーを一気に身近に感じるきっかけとなったのです。ルールもすべて当時彼/今オットに教わったもの。でもなぜかイングランドにいながらにして、お気に入りのチームはアイルランド。
チームカラーのグリーンもさることながら、アイルランド戦で流れる'Ireland's Call'になぜか懐かしい気持ちになるのです。イギリス連邦の一部となったノーザン・アイルランドとアイルランドは、長く悲しい分断の歴史が今も現在進行中ですが、ラグビー(他のスポーツでもそうなのかしら。。)では統一チームとしてプレーしているのもまた特別な意味があるように思えます。

Sunday, January 31, 2010

コヴェント・ガーデンでオペラの夜

1月30日 コヴェント・ガーデンにて

ストラヴィンスキー: The Rake's Progress

歌詞は、英国出身の詩人W H オーデンが作詞したので、英語。
日本語訳だと「放蕩者のなりゆき」
なんだか難しい話なのか、と少し気構えて行ったら、まるでサーカスに迷い込んだみたいでびっくり。歌手も歌手らしくなく芝居上手で、なによりも演出家のロベール・レパージュRobert Lepageの創りだす世界に、時と場所を忘れて夢中になっていた。

話は、ヨーロッパではおなじみのファウストやメフィストーフェレによく似たもの。一口にいえば、人間のツラをかぶった悪魔に魂を売ったらどうなるか、という教訓話。ルパージュの演出では、最後に悪魔が正体を現すところで、ヒネリがきいていて、おぉっという感じ。

ストラヴィンスキーは、19世紀末にサンクトペテルブルク近郊生まれ、パリで活躍したロシア人万能作曲家。ナチス台頭を避けてアメリカに亡命し、ニューヨークで1971年になくなった。バレエ音楽『春の祭典』が特に有名。




Rake's Progressは、ストラヴィンスキーが、モーツァルトとかヘンデルのスタイルによって作曲したもの。この人本気で作曲したの?と疑いたくなるような遊び心がいっぱいの音楽。内容と音楽が噛み合ずに、(しかも英語の構成をあまり分からないまま作曲したのか、イントネーションがとても変で、歌いにくそうだった)???と思っていたら、最後のエピローグで疑問氷解。つまりは、すごくシリアスな内容のオペラではなく、あくまで、これは架空のお話ですよ〜と登場人物全員が出てきて歌って終わり。

歌手陣の中では、主役トム・レイクウェルを歌ったトビー・スペンスがぴか一だった。声が決していいわけでないけれど、よくコントロールされてて安定していたのに加え、演技が非常に上手くて、歌手というよりは俳優みたいだった。


自分用メモ:


CREDITS

Composer
Igor Stravinsky

Director
Robert Lepage

Choreography

Michael Keegan Dolan


PERFORMERS


Conductor
Ingo Metzmacher

Trulove
Jeremy White

Anne Trulove
Rosemary Joshua

Tom Rakewell
Toby Spence

Nick Shadow
Kyle Ketelsen
William Shimell

Mother Goose
Frances McCafferty

Baba the Turk
Patricia Bardon

Sellem
Graham Clark

Friday, January 29, 2010

グリニッジで出会った日本人の陶芸家さん

週末のグリニッジ・マーケット。人ごみの中に突然日本語が飛び込んできた。予想もしなかったそれは、YAMANECO POTTERY...

画面中央に見えますか?

どの作品も、もう一目惚れの可愛さ。なんだかまぁるくて気分がほのぼのとなる不思議でオリジナリティーあふれる和のポテリーたち。すぐに手に取ってみたくなる魅力たっぷりの作品ばかりで、どれにしようか目移りしてしまう。。結局購入したのは、オーダーで作って頂いたハリネズミ親子の急須と湯のみ茶碗のセット。質感と良い、イラストといい、予想以上のできばえに、すっかりファンとなりました。


湯のみ茶碗のポッチが可愛い。

3匹そろったところ。

この口がいいのです

Yamaneco Potteryさんのブログはコチラ
週末のグリニッジ・マーケットに出店されているよう。



Sunday, January 24, 2010

初めてのラグビー観戦 ラグビーはアート!?

生まれて初めてラグビー観戦へ。
1月23日 Twickenhamスタジアムで行われたロンドン・アイリッシュVSレンスター戦。

お目当ては、レンスターの13番ブライアン・オドリスコル(Brian O'Driscoll)!
去年のアイルランドによるSix Nationsグランドスラム(全勝優勝)に最も貢献したおそらく今世界最高のセンター。小柄&童顔とはうらはらに、非常に獰猛なタックルをかましたり、いったんボールを持ったらひたむきにトライを目指す姿が、ラグビー音痴の私にも好感度大なプレーヤー。


このクリップは、アイリッシュ/レンスター戦に先立って行われた、レンスター/ブライヴ戦でのトライの様子。オドリスコルならではの爆発的スピードに注目。

さて、23日の試合。観客は、とてもフレンドリーで両チームのサポーターたちが、混じり合ってわいわい応援する温かい試合風景で、初観戦の私もとっても楽しめた。残念ながらオドリスコルのトライを観る事は叶わなかったけれど、生で試合をみれて、大満足だった。

イングランドのスポーツといえば、フットボールというイメージが強いので、ラグビーが好きというと、はぁ?という顔をされることも多い。私もこちらに来るまでは、全くといっていいほど興味がなかった組。それがある日テレビでやっていたSix Nations(イングランド、アイルランド、ウェールズ、スコットランド、フランス、イタリアによる国際トーナメント)を観て、「なんて美しいんだろう!」と感激。

ボールのパスは後ろ方向にしかできない、というルールしか知らなかった私だが、フォーメーションの多彩さ、特に攻撃のときのThree Quarter Lineの整然としたラインの美しさや、ペナルティーやドロップボールのときにFly Half が蹴る楕円形ボールが生み出すなんともユニークな軌跡を見て、これはスポーツの枠を超えてもはやアートの域である、と思ったのである。

ラグビーは、生身の人間同士がなんのプロテクションもなしに、ぶつかり合う非常に危険なスポーツなので、自然たくさんの約束事や反則などがあり、猛々しい大男たちがごつんごつんぶつかりあう割りには、紳士のスポーツ、というミスマッチが面白い。特にイングランドでは、フットボール=労働階級、ラグビー=ミドル・クラス以上という歴史が依然として強く影響していて、ごつい大男でも実はボンボンのパブリックスクール出身が未だに多い。近年は、アイルランドやウェールズ、フランスにイングランドは押され気味で、そういったボンボン・イメージもおそらく薄れつつあるだろうけれど、ラグビーを観る観客層とフットボールを観る観客層はあきらかに違う種類の人々で、それによってなんとなく出身や家族の様子が分かるのが、外から来た人間には興味深かったりする。

そんなわけで、すっかりはまってしまったラグビー。これからSix Nationsも始まるので、応援にも一層熱が入りそう。家族友人からは「ラグビーというよりは単に、逞しい男の太ももを観るのが好きなんじゃない?」という冷やかしも聞こえてきますが。。ま、中らずといえども遠からず、、でしょうか。(笑)

Friday, January 22, 2010

ピアノリサイタル@QEH

写真は、Classiquenews.comより

2010年1月19日 クィーン・エリザベス・ホールにて
International Piano Series
Cedric Tiberghien セドリック・ティベルギアン

Fryderyk Chopin:
Scherzo No.1 in B minor, Op.20
Mazurka Op.6 No.3; Op.17 No.2; Op.17 No.4
Ballade No.1 in G minor, Op.23
Mazurka Op.24 No.2; Op.24 No.4
Scherzo No.2 in B flat minor, Op.31

Interval

Alexander Scriabin: Impromptu a la Mazur, Op.2 No.3
Mazurka Op.3 No.7; Op.3 No.6; Op.25 No.3

Aleksander Tansman:
Mazurka, Book.1 No.3; No.4
Mazurka, Book.3 No.1; No.3
Mazurka, Book.1 No.9

Karol Szymanowski:
Mazurka Op.50 No.1; No.7

Fryderyk Chopin: 3 Mazurkas, Op.59
Polonaise-Fantaisie in A flat, Op.61


ショパン生誕200年記念と銘打っただけあって、今シーズンのInternational Piano Seriesは、そうそうたる顔ぶれによるショパンの弾き比べが楽しめそう。

セドリック・ティベルギアンは、このところ話題のフランス人若手ピアニスト。
実のところ、パブリシティー写真での美形ぶりに注目が集まりがちなので、実力は大した事ないんではないか、と疑っていた。

だから、最初のスケルツォを聴いてのけぞるくらいびっくりした。細身の長身を折り曲げる様にして弾き始めるやいなや、その独特で深い世界にぐぐぐっと引込まれ時間が経つのも忘れるくらい夢中になっていた。

彼の持つ世界観がとにかく美しい。技巧的な完璧さや完成度の高さを誇るピアニストは、どうも私の心に響かないらしい。ティベルギアンが特別なのは、アーティストとして、彼の紡ぎだす音楽そのものが、すでにアートとして確立されている凄さ。言葉にすると平凡だけれども、そのタッチの美しさ、低音部の重厚さ、弱音の時の透き通るような静かで襞のある音、高い音楽性。それはきっと持ってうまれた感覚で、いくら技術を磨こうとも、元々持っていない人には絶対に身につけれないものなのではないか。またその持って生まれた才能にとらわれすぎて、技術がそれに追いつかないままプロになってしまったアーティストも多いのに、ティベルギアンは、ちゃんと技術も伴っている本物のヴィルトゥオーゾの可能性も秘めた人。

難を言えば、技術が確かな割にミスタッチが多いところかな。でももしかしたらピアノとの相性が良くなかったのかもしれない。

マズルカ
マズルカはポーランドの有名な民族舞踊(舞曲)形式で、ショパンはその形式を使って沢山の作品を生み出し、マズルカをアートの領域まで高めた人。プログラム後半のスクリャービンやタンスマン、シマノフスキのマズルカは、全てショパンが確立した《マズルカ形式》を継承して書かれたもの。個人的にはタンスマンの耽美的な美しさにため息し、シマノフスキの音調にまたまたうっとりしその気持ち良さについうとうと、、、と非常に気持ちのいい心地にさせてくれた。

ちなみにプログラム前半に披露したショパンのバラードは、クラシックを聴いた事がある人ならおそらく一度は聴いた事があるであろう有名な曲。是非その音の美しさを聴いてみてください。

Sunday, January 17, 2010

手編みのベスト

去年の終わりからぼちぼち編み始めてたベストがやっと完成!

スコットランドのその北、オークニー諸島にあるアウスケリー島よりやってきた100%ノース・ロナルドセー・シープの純ウールを大体200g使用。ノース・ロナルドセー・シープは、名前から分かるように元々はノース・ロナルドセー島にて飼育されてたのが、いろいろ事情があって今はアウスケリー島に移住した羊たちのこと。なんでも海藻が主食とかで、ウールも、グレイに緑がかっているのが特徴。海藻をもぐもぐ食べる羊を想像するとなんだか可笑しい。

縁取り&袖口に使ったのは、Debbie Bliss Donegal Luxury Tweed Aranを50gとちょっと。
棒針5mm、4.5mm(袖口)使用。パターンは、ピエロから無料ダウンロードのものを使用。これを基本にこれを適当にミックス、最終的には自己流で。100%純ウールはやっぱりほこほこあったかい。

Saturday, January 16, 2010

@BFIにて小津監督の作品が多々上映中

BFIでただいま小津安二郎特集をやっているので、「東京物語」を観に行きました。
Film Season: Yasujiro Ozuと題して、初期の小津作品(戦前)から小津に影響を受けた他の監督たちの映画まで、いろいろやっています。特に「東京物語」は1月の終わりまで、「秋日和」は2月まで上演されているようです。

「東京物語」

オープニングの尾道の風景からしてもう懐かしいというか切ないくらい純日本で。親子/他人の絆というテーマは、あまりにも人の真理をついていて、親を離れ地球の裏側に落ち着いてしまった子としてはかなり胸を突かれる思いでした。

有名なtatami-shotとしてコチラでも知られるローポジションからの茶の間風景や、こんなに美しいものだったのか!と驚嘆した日本語の台詞など、まるでその1コマ1コマが宝石のような煌めきをはなって最初から最後まで目(と心)を奪いました。西洋人には、時折特異に映ることもある「日本(人)らしさ」ー とある有名なピアニストは日本を訪れて演奏することを「最初の一週間は、まるで天国にいるみたい、皆親切で心をこめたおもてなしで、、、、でもその一週間がすぎると、まるで黄金の檻に入れられているように思い始める。なんというか、あまりにも全てが完璧で、自由になる余地がなく、人はオモテの面だけみせていつも笑顔で、本当の人間性が見えない。」と言っていたらしいけれど、そういうオモテとウラ、建前と本音という日本の社会の有様が、この映画に自然に存在しているからこそ、こうやって日本を超えて評価が高いのだと思いました。

寒さも和らぎ、暗くて灰色で惨めなでも寒く無いという典型的なロンドンの1月となってきましたが、January Bluesを吹き飛ばすには、古き良き日本の風景でもどうでしょうか。

Sunday, January 10, 2010

Winter-Wonder-South Londonより

今年は記録的な寒さ(100年ぶり?!)の冬らしいとの事で、雪が降り積もった先週、半ば電車が止まっているのを覚悟(というより期待かも。。)していたら、なんと去年の大雪の際、あまりにだらしないサービスで非難囂々だった教訓を活かしたのか、ちょっとの遅延はあれどもちゃんと動いているではないですか。ちょっとBR見直しました!オリンピックも段々と近くなってきた2010年のロンドン、運賃の値上げ分くらいはサービス向上してくれればいいなぁと願ってます。