Monday, November 9, 2009

善き人のためのソナタ


Das Leben der Anderen / The Lives of Others


20年前の今日(11月9日)、ベルリンの壁が崩壊。子供だったくせに、テレビに映るニュースを見ながら、あり得ない事がこんなにあっけなく起こったんだ、という不思議に乾いた思いを抱いた事を覚えている。あっという間に20年が経ち、東西ドイツの分離、戦争の傷跡はどんどん風化されていく。マルクだった通貨は、すっかりユーロが定着した。ベルリンの壁はなくなって東西の融合が進んで、私たちの次の世代にとっては、ベルリンの壁は、単なる歴史の一ページになってしまうのかもしれない。負の記憶の浄化は、前へ前へ進んでいく事でしかなされないとは思う。だけど、すべてを風化し忘れるべきではない。

初めてこの映画を観たのは、一年くらい前だが、その時のショックはまだ昨日の事のように鮮やかに記憶に残っている。映画の中の世界はどれだけ精巧に作られてようと所詮虚構である。しかし、東西の俳優・スタッフが集結して創られたこの映画には、彼らのリアルなストーリーが、虚構の世界に見え隠れし、ただのストーリーを超えたパワーが宿っているように思えた。この映画をまだ見た事がないならば、内容について何も調べないまま観ることを、そして大切な人と観る事をお勧めします。


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Sunday, November 8, 2009

花火の週末

英国で、花火の日がというと、すぐに思い浮かぶのがガイ・フォークス・ナイト。11月5日の夜は、いたるところで花火とボンファイヤー(かがり火)のお祭りさわぎが繰り広げられてました。我が家は公園に近い事もあって、普通にご飯の支度をしていたら、飛び上がるほどの爆音が間近で破裂!何かとおもって窓から外を見上げたら、目の前いっぱいに広がる花火の響宴を期せずして堪能の夕べとなりました。



毎年、このお祭りがおわると、「いよいよ(暗い)冬がきたなぁ〜。。」という気分に。ロンドンは、あまり寒くならないこともあって、やっぱり寒さより日照時間の短さが気になります。冬になると、外を出歩くより、お家でのんびり〜が増えます。ので、自然料理をする機会も増えることになります。



今日は、残り物の餃子を使って、ちょっと秋の味覚風丼に。レシピは、餃子のたれをネットで検索して見つけたものに、香ばしくやいたシメジとネギを加えて、さいごにマヨネーズを加えた自己流中華風。



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Saturday, November 7, 2009

ロンドン、秋

秋のロンドン、ソーホー地区。







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Monday, November 2, 2009

ピアノリサイタル@RFH

2009年11月1日 ロイヤル・フェスティバル・ホールにて
International Piano Series
John Lill ジョン・リル

Programme
シューマン:子供の情景、カーニバル

ブラームス:二つのラプソディー、ヘンデルの主題による25の変奏曲とフーガより

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イギリス人大ベテランのピアニスト、ジョン・リルのリサイタルは、まさに「正統派」というのが相応しいプログラムで、特にシューマンの『子供の情景』は、何度も聴いてよく知っていていても、やはり素晴らしい作品〜〜〜!と久々にザ・クラシック気分に浸らせてもらいました。ほとんど身動きもせず、しゃちほこばった(ように見える)姿勢から生み出される音は、どこまでも軽やかでエレガントでまっすぐ。そして彼の持つ飄々としたどこか超然とした態度は、今はもう引退してしまったアルフレッド・ブレンデルを数年前聴きに行った時に感じたような、職人としてのアーティストを感じました。きっと何十年もこのレパートリーをいろんな所で弾いて来たんだろうなぁ〜と思って聴くと、若手の勢いにみちた演奏とはまた違った重みがひしひしと伝わってきたように思いました。

日曜の午後、しかも天気の冴えない日とあって、残念ながら会場は空席が目立ちました。いつも思うのですが、ピアノリサイタルは、やはりもう少し小さいホールで聴きたいです。せめてもクィーン・エリザベス・ホールまでの大きさでないと、ピアノの音とのintimateな共有が出来ず、なんだか遠いんですよね。個人的には、室内楽には、ウィグモア・ホールが一番と思ってます。

次のInternational Pian Seriesは、来週月曜日、クリスティーナ・オルティズ。本場ブラジル人の彼女が奏でるヴィラ・ロボスに期待です!

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