Tuesday, August 18, 2009

読書熱

ふと、人は何故本を読むのだろうか、、、と考えた。小さい頃からいわゆる「本の虫」だった。本を読むのは、呼吸するのと同じ感覚だった。小学生の頃は、買い与えられた小学館《少年少女世界名作文学全集》などを毎日飽きずに何度も何度も読み返していた。私の読み方は、いつも同じ。
ざっと読み
読み返し
じっくり読み
予測読み

の繰り返しである。最初の「ざっと読み」は、親にあきれられるくらいとにかくものすごいスピードで、話の筋をつかみながら読んで行く。だから登場人物の名前とか、場所設定とかは、次の「読み返し」「じっくり読み」でのお楽しみ用に取っておく。「予測読み」になる頃には、すでに4〜5回読んでいるわけで、ページをめくった先に何が待ち受けているのか分かっているからこそ面白い、推測ゲームのようになる。

こうやって、記憶の戸棚に山積みにされた沢山の「お話」たちは、普段はきれいさっぱりと無意識の領域で眠っていて、時々ランダムに目を覚まし、ふとした会話の肴となってでてきたりする。

年を重ねるにつれ、「ざっと読み」のスピードは段々と遅くなり、そのかわり「予測読み」まで行き着く事は、まれになった。それでも、本がそばにない時の禁断症状にも似た《乾き》は、まだ消えないどころか、毎日どんどんひどくなるばかりである。

苦労してまで自国語でない本も読んでしまうこの衝動は、何なのだろうか。知的財産の収集といえば聞こえがいいけれど、これではまるで、ただ身体/精神に深刻なダメージを与えないだけで、私が最も嫌悪するタバコやお酒や薬の中毒と同じようなものである。ただ、本中毒といってもだれも眉をひそめたりしないばかりか、場合によっては賞賛されたりしてしてしまうのが面白い。

この2ヶ月ほど、夢中にさせてくれる本にであっていないので、古い本も読み返し飽きたし、禁断症状もかなり深刻になってきた。さて、新しい本を開拓するか。ホラー/怪奇/超自然現象話以外でお進め本を教えたい方、英国在住で手放してしまいたい古本の持ち主の方いらしゃいましたら、是非ご一報くださいな。


にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ