Saturday, November 8, 2008

Concert @ Queen Elizabeth Hall

(写真はBB Trust Homepageより)
6th November 2008
Mitsuko Uchida and Friends

Mitsuko Uchida      piano
Soovin Kim          violin
Martin Fröst         clarinet
Christian Poltéra   cello
Llyr Williams        piano

programme:

Liszt La Lugubre Gondola 悲しみのゴンドラ
Bartók Contrasts コントラスツ
Messiaen Quatour pour la fin du temps 時の終わりのための四重奏

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なんとも気合いのこもったというか、白熱した、というか緊張感にみちた、不思議なコンサートでした。コンサートは、若手(だと思うが、その割には老成した雰囲気)のピアニストLlyr Williamsによるリストで始まりました。なんだか普通でない雰囲気は、彼が、最初の音を鳴らしたとたんにもわもわもわ、、、、と立ち昇りそれはやがて会場全体を覆う異様な緊迫感となって私に襲いかかって来たように感じました。ピアノの技巧や、感情表現など、何度考えても【異様】としか形容しがたい演奏で、正直あまりの息苦しさに、演奏が終わった時はほっとしました。
次のバルトークは、ピアノ、ヴァイオリン、クラリネットの三重奏で、ヴァイオリンのSoovin Kimが特に光っていたように思いました。彼の細やかなコミュニケーションの取り方や、時には鋭く、時には優しさに満ちた音の多彩さは、決して派手ではないけれど、記憶に残りました。若手クラリネット奏者のMartin Fröstは、最初弾き始めた時は、摩訶不思議な演奏スタイル(まるで必死にトイレをがまんしているような足腰の動き)にあっけにとられましたが、音に集中して聴いていると、確かに訴えかけてくるものがありました。

休憩後は、内田光子さんのピアノにヴァイオリン、チェロ、クラリネットでのメシアンの大曲「時の終わりのための四重奏」でした。さすが内田光子さん!貫禄たっぷり、ちょっと異様な感情表現も板について若い3人が霞んでしまう程の存在感でした。並んで立っているところなど、小柄なお母さんと、よく育った息子たち、といった和やかな雰囲気ながら、一旦曲が始まると、演奏中は会場が水を打ったように静寂に包まれ、(曲間の咳払いの激しさには、正直参りましたが、、、)その緊迫感と集中力は凄いパワーでした。

メシアンは、正直一日働いてくたくたの頭には少々チャレンジがすぎましたが、こうして、次の世代を担うだろう若手が、内田光子さんという大きな存在に、それに負けないくらいのパワーで向かっていく、そんな雰囲気がとても新鮮でした。

今回のコンサートは、元々、内田光子さんとスパゲッティで有名なBuitoniの関係者が始めた奨学生制度BB Trustに選ばれた若手演奏家たちが、若手+内田光子さんという形態で、各地で催されているコンサートの内の一つであり、サウス・バンクが音楽事務所インタームジカと共に企画しているInternatinal Chamber Music Seasonの一環でもありました。今シーズンとしては、来年の1月20日に、次のコンサート「タカクス・カルテット(Takacs Quartet)によるハイドン、リム、シューマン」が予定されてます。いづれのコンサートも、Queen Elizabeth Hallにて開催です。
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ところで、先週から今週末にかけては、ガイ・フォークスのお祭りのため、毎晩のようにあちらこちらで花火があがってます。「花火=たまや〜〜〜〜!=夏!!!」というのが当たり前の日本育ちとしては、11月に見る花火とは未だに不思議な気分でいっぱいですが。しかも、雨が降ろうと風がきつかろうと、そんなことおかまいなしなのも、すごいです。。。今もまだ彼方からドンドンという音が、雨音にも負けず届いてます。

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Sunday, October 26, 2008

告知:ケンブリッジで有名ソプラノの歌曲コンサート!

ケンブリッジやその近郊に在住の方、今週の金曜日(10月31日)夜8時より、ペンブローク・カレッジのThe Old Libraryにて世界中で活躍中のソプラノ歌手アマンダ・ルークロフトの、歌曲のコンサートがあります。曲目は、チャイコフスキー、シュトラウス、バーバー、ドビュッシーとパンフに掲載されていますが、かなり気楽な雰囲気のコンサートなので、急遽変更があるかもしれません。
入場料:10ポンド(学生は半額)、チケットはThe Porter's Lodgeで購入できると思います。

アマンダ・ルークロフトは、コヴェント・ガーデンや、ENOなど、国内にとどまらず世界中で活躍中のソプラノ歌手です。またオペラだけでなく歌曲のコンサートも精力的に行っていて高い評価を得ています。CDも沢山出ていますが、2007年に発売された"Amanda Roocroft - None but the lonely heart"(写真下、アマゾンより)では、今回のコンサートで歌う予定であろうチャイコフスキー、シュトラウス、ドビュッシーの歌曲が収録されています。

彼女は、20代の前半ですでにコヴェント・ガーデンにてデビューをはたし、それ以来ずっと一線で活躍中ですが、しばらく前に声の調子を崩し、一時は引退まで考える程だったそうです。そんな時、新しい先生にであい、そのお陰でさらにパワーアップして帰って来たらしいので、これから円熟期を迎え、どのような歌を聴かせてくれるのか非常に楽しみな歌手です。


Pembroke College Cambridge

Amanda Roocroft (Soprano) & Joseph Middleton (Piano)

Songs by Tchaikovsky, Strauss, Barber, Debussy...

Friday 31st October 2008
8pm~ @ The Old Library 
Tichkets: £10 (students £5)


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Tuesday, October 7, 2008

Rothko ~The Late Series~ @ Tate Modern

テートモダン4Fにて


マーク・ロスコといえば、テートモダンの常設展にある「ロスコ・ルーム」が有名ですが、今回の特別展は、普段その「ロスコ・ルーム」に展示されている9枚の壁画を、日本の川村記念美術館とアメリカのワシントン・ナショナル・ギャラリーに保存されていた他の一連の壁画とともに、シーグラム壁画シリーズとして展示するのを目玉とした特別展として開催されています。

実際に観に行ったのは2週間程前になりますが、未だにうまく文章に表せないくらい感動しました。特別信心深く無いのですが、地元の神社に帰った時のような心の平安を感じてしばらく身動きできませんでした。

来年の二月一日までやっています。同じ特別展が、2月21日からは、川村記念美術館で開催されるそうです。

お勧めです。


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Thursday, October 2, 2008

Concert @ Royal Festival Hall



1st October 2008

Budapest Festival Orchestra

Iván Fischer conductor

Christianne Stotijn mezzo-soprano

Robert Dean Smith tenor

Programme

Schoenberg: Verklärte Nacht (1899, revised for string orchestra 1917 & 1943) 
Transfigured Night 浄夜

Mahler: Das Lied von der Erde (1908-1909)  The Song of the Earth 大地の歌

(i) Das Trinklied vom Jammer der Erde
(ii) Der Einsame im Herbst
(iii) Von der Jugend
(iv) Von der Schönheit
(v) Der Trunkene im Frühling
(vi) Der Abschied
  

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☆☆☆☆★

オーケストラの質の高さと、そして指揮者との完璧に息のあった上での集中力の高さがものすごいパワーとなることを実感した夜だった。シャーンベルグの「浄夜」は、初めて聴く作品だったのであらかじめプログラムの解説で、ABACAという楽曲構成であることと、特に有名であるらしい、Cの部分にあたる詩の英訳を読んでいて、より楽しめたように思う。月明かりの下で女がある告白をし、男がそれを許し、ふたりの絆を強めるという話なのだけれど、実際にそのドラマを目の前で見ているかのような音楽だった。A部分は、二人が月明かりの下を散歩している様子、Bでは、心が張り裂けるような哀しみと緊迫感に満ちていて女の告白、そしてAをはさみ、Cでの男の全てを包み込むような愛と理解にみちた言葉があり、またAへと、二人で歩んで行く。Cの音楽は、今まで聴いた中で最も美しく感動的な音楽であったと思う。

休憩後のマーラーの「大地の歌」も、前半に値するくらい素晴らしい演奏だった。特に光っていたのは、テナーのロバート・デーン・スミスと、プリンシパルオーボエ奏者のドゥドゥ・カーメルだった。ディーン・スミスの声は、彼の声域を通じて均一で、特に高音域は素晴らしく、フル・オーケストラをバックに歌っているとは思えないくらい、(時にはそれが大音響で鳴り響いていたりもした)彼の旋律線はとてもなめらかで易々と歌っていたのが印象に残った。オーボエ奏者カーメルのいくつかのソロパートは、とても感情がこもっていて、しかも色彩に富んでいたので、演奏後のお辞儀の時には、ひと際大きな拍手が贈られたのにも納得の演奏だった。
若手のメゾ・ソプラノ、クリスティアン・シュトタインも美しい歌唱で魅せたが、ディーン・スミスに見られたような、声の均一さとなめらかさに欠けていたように思えた。もしかすると、彼女は曲の解釈に熱心になったあまりにごくシンプルに声を繋ぐ、という歌の基本を忘れてしまったのかもしれない。ピアノと歌手だけの歌曲のコンサートだと、解釈ももっと映えたのかもしれないが、フル・オーケストラをバックでは、その効果も半減となってしまったようだった。特に最後の歌「告別」は、30分あまりの長さに加え曲のほとんどが緩やかで静かなため、観客がだれてしまったような印象も受けたのが残念だった。

What an amazing evening! 
There was a palpable feeling of immense concentration from the orchestra. The strong bond between the conductor and orchestral members made the atmosphere so intense and exciting as a result. The orchestra was fantastic. Their playing was dynamic and compelling throughout the evening's performance. I am glad that I read the programme booklet before the performance as it was the first time I have heard Verklärte Nacht. It was fascinating to learn that in composing the piece, Schoenberg followed the structure of the original poem made up of 5 stanzas. (He divided the whole piece into ABACA.) The story is about a young couple strolling together on a moonlit night. The 'A' parts represent their walk and the 'B' part is the painful confession of the woman that she is pregnant with other man's child. The 'C' part is the man's response of love and forgiveness to that confession. It was one of the most beautiful and moving performances of music I have ever heard.   

The English translation of the original poem can be found here.

Mahler's Das Lied von der Erde after the interval was equally wonderful. I thought the stars of the performance were the tenor Robert Dean Smith and the principal oboist Dudu Carmel. Dean Smith's voice was even all way through his range, especially impressive top ranges, his phrasing was so smooth that he made the songs seem easy to sing, despite the fact that he was singing with full orchestra (sometimes playing with their own full sound...) behind him. The principal oboist's numerous solos within the piece were full of emotion and colour, and when he took a bow there was an appreciatively loud applause. 

The young mezzo-soprano Christianne Stotijn sang beautifully but her voice seemed to lack the consistency and evenness of tone that Dean Smith possessed. Perhaps it was because there were more 'interpretations' in her performance than the tenor's. With a full orchestra, however, the many undoubtedly musical effects were lost and lacked the impact she might have anticipated. The last song, Der Abschied, is a particularly difficult song, not only because it is about half an hour in length, but most of the phrases are slow and quiet, indeed there were some moments when she seemed to lose the audience's interest altogether.    

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Tuesday, August 19, 2008

アート巡り番外編〜バルセロナ〜②

Museu Picasso (Picasso Museum)

ピカソ美術館は、バルセロナの旧市街にあり、散策途中に立ち寄るのに最適でした。
美術館は、1963年に彼の長年の友人Jaime Sabartesからの沢山の寄付を得てオープンしました。そのため、彼の若いときの作品が多数を占めており、ピカソの有名な作品を期待して訪ねていくと、少し期待外れに終わってしまうかもしれません。それでも、彼のバイタリティ豊かな個性が発揮されていて、充分に楽しめました。なかでもチャコールやパステルで描いたものが特に印象に残りました。

'La Diseuse'

'End of the number'
歌手が歌い終わって拍手に応えているところでしょうか?彼女たちの衣装や髪型が、「その時代」をまるで切り取ったかのように鮮やかです。こんなドレスを着てみたい!


'Un Sabio' (賢人)

こういうスケッチを見ていると、ピカソに茶目っ気たっぷりにウィンクされたような気分になります。
この美術館の目玉とも言えるのが、ピカソが、ベラスケスの「ラス・メニーナス(女官たち)」をモデルを下敷きに、自由自在に描いた一連の作品群です。


上が、ベラスケスの描いた絵、下が、ピカソのもののうちの一枚。少し写真のサイズが小さいので見にくいですが、構図はほぼ同じながら、細部が細かく変わっていて、まぎれもなくピカソの作品になっているところが非常に面白かったです。

ピカソ美術館のホームページはこちらから。

Sunday, August 17, 2008

アート巡り番外編〜バルセロナ〜①

Fundació Joan Miró (Joan Miro Foundation)


バルセロナ出身で世界的に有名と言えば、まっさきにピカソが思い浮かぶかもしれませんが、ちょっととぼけた様なユニークな作風が特徴のホワン・ミロ(1893−1983)もまた、バルセロナにゆかりのあるアーティストです。そんなミロの、絵画にとどまらない広範囲にいたる作品群を見る事が出来るのが、バルセロナの小高い丘Parc Montjuïc にある、ホワン・ミロ・ファンデーションです。

入り口では、こんな銅像が出迎えてくれます。


ミロの作品は、彼の強い好奇心がそのまま反映されたように、題材も素材も多方向に及びます。彼の若いときの作品(まだ抽象画になるまえ)から、「絵というものの破壊」に向かった青年期を経て、シュルレアリズム(超現実主義)による、シンプルな円やカラーの中に彼なりのユニバースを凝縮したようなの抽象画の数々や、セラミック、彫刻などを一気に楽しむ事ができます。自然光を程よく取り入れた館内は、ひんやりと涼しく、また白壁に奔放なカラーのミロの作品がよく映えていました。

まず、入ったところにこんなタペストリーが。このファウンデーションが建立された時に特別に作ったそうです。




正面に見える絵は、「太陽の前の人物像」と言う題名がついていますが、私には、どう見てもかがんだ状態の人のように見えます。私は、抽象画が、写実画に比べて、より自由に絵を解釈する事が許されているように思い、そののびのびとした世界が特に好きです。

ビビッドな色彩と、奔放な筆遣いから、ミロの複雑で非常にアーティスティックな感性がかいま見れるように思います。中には、水墨画を思わす白地に黒でデザインを描いた物もありました。

ミロは、青年期以来、パリに長く在住し沢山のアーティストとも交流がありました。その後、フランコ政権のスペインを避けて、生涯のほとんどをマヨルカで過ごしたそうですが、バルセロナのある、カタルーニャ地方の伝統文化を愛し、自身もカタラン・アーティストであると自負していたそうです。彼の作風は、シュルレアリズムの部類に入りますが、同じシュルレアリズムとはいっても、同じカタルーニャ地方出身のサルバトール・ダリのように現実にはありえない構図で写実的な絵画を描くのではなく、より抽象画に近い方に発展していきました。

この「鳥」と題された大理石(?)彫刻は、その温かくてのびのびとした形がとても印象的でした


ホームページは、こちらから。


Monday, June 16, 2008

The radio 3 Lunchtime concert @ Wigmore Hall

6月16日
ラジオ3ランチタイム・コンサート

ジェラルド・フィンリー Gerald Finley    baritone
ジュリアス・ドレーク Julius Drake    piano

曲目:

シューマン
ハイネの詩による歌曲
悲劇・哀れなピーター・きみの頬を私の頬によせて・私の愛はきらめき・きみの顔はとても愛らしくて美しい・わたしのカートはのろのろと

Tragödie I - III • Der arme Peter • Lehn' deine Wang • Es leuchtet meine Liebe • Dein Angesicht • Mein Wagen rollet langsam 

「ミルテの木」より3つの歌
蓮の花・この孤独な涙は何を意味するのだろう・きみは花のようだ

Die Lotosblume • Was will die einsame Träne? • Du bist wie eine Blume 

グリーグ
Op. 48より5つの歌
挨拶・いつか、あぁ私の心よ・世界のありかた・薔薇のときに(甘美な薔薇よ、きみたちは待っている)・夢

Gruß • Dereinst, Gedanke mein •Lauf der Welt • Zur Rosenzeit • Ein Traum

シューマン
ハイネの詩による歌曲
敵対する兄弟たちよ・浜辺の夜・兵士たち・ベルシャザル

Die feindlich Brüder • Adends am Strand • Die beiden granadiere • Belsazar

アンコール
アィヴス
私は恨んではいない Ich grolle nicht
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✩✩✩✩✩

ハイネの詩によるシューマンの数々の歌曲は、ドイツ歌曲の演奏会と言えば、定番でもありますが、ジェラルド・フィンリーの少し陰りを帯びた男性的で美しい声で歌われると、恋に敗れる男性の悲哀がひと際濃く出ていて、非常に聴きごたえがありました。

シューマンの「詩人の恋」は創られた当時20曲からなっていて、紆余曲折があって4年後に出版の際、4曲が外されて16曲となったのですが、「きみの頬をわたしの頬によせて、わたしの愛はきらめき、きみの顔はとても愛らしく美しい、わたしのカートはのろのろと」がその4曲にあたり、これらは後年それぞれOp. 142 No. 2, Op. 127 N.3, No. 2, Op. 142 No. 4として出版されました。これらの4曲は、独立した曲としては少しインパクトに欠ける気もしましたが、それぞれ流れるような旋律とピアノ伴奏の美しさが際立っていました。

「ミルテの木」からの3曲は、私的にこのコンサートの中で一番印象に残りました。かなわない恋をこんなにも優しく美しく語れるものなのなのでしょうか。ロバートからクララへの結婚祝いに贈られたこの歌曲集は、幸福感だけでなく恋や愛の不条理さもぎゅっと詰まっていて、彼の盲目的といえる愛が感じられます。

グリーグは、「薔薇のとき」と「夢」が特に有名で、その流れるような美しいピアノ伴奏と相まって、甘美な痛みのようなものを感じさせるとてもロマンチックな曲でした。「夢」は、もはや歌曲というよりはアリアを聴いているような迫力で耳がびりびりしました。

ジェラルド・フィンリーの歌は、旋律線が非常になめらかで、声を自由に扱っている様が、やはり第一線で活躍する歌手たる所以でしょう。オペラだけでなく歌曲のコンサートにも力を入れていて、それもドイツ歌曲からフランス歌曲、イギリス・アメリカ歌曲と、そのどれもがきちんと歌われていて、いつ聴いてもとても満足のいくのが凄いです。

ジュリアス・ドレイクは、大活躍中のピアノ伴奏者ですが、その演奏ぶりは、派手さには欠けるものの、いつ聴いてもテクニックの確かさと解釈の深さには大満足です。イギリスに来て、「ピアノ伴奏者」という位置が、予想していたよりかなり確立されていて驚いたのですが、いくつかのマスタークラスや講習会に参加してみて、彼らの学識の深さとピアニストとしてのテクニックの高さに、非常に感銘を受けました。

このコンサートは、BBC Radio 3のホームページ上で、7日間聴く事ができます。聴いてみたい方はこちらから。(注意!始まって4分くらいからコンサート開始です。)



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Thursday, June 5, 2008

Good to be competitive? 〜コンクール@ウィグモア・ホール〜

5月4日 ウィグモア・ホールにて At Wigmore Hall

2008年度 歌手のためのリヒャルト・タウバー・プライズ、公開ファイナル
Public Final Audition of the 2008 Richard Tauber Prize for Singers

主催:アングロ−オーストリアン音楽協会


隔年開催されている、リヒャルト・タウバー・プライズはイギリスとオーストリアの音楽院で学ぶ声楽科の学生にとって(少なくともロンドンの音楽院では)かなり重要なコンクールの一つです。それというのも最優秀賞は、£5000の賞金に加え、ウィグモア・ホールでのリサイタルが副賞として与えられるからです。予選は、ロンドンとウィーンで行われ、本選は公開ファイナルとしてウィグモア・ホールで行われます。

本選に残ったのは、10名の歌手。

ソプラノ、4名
メゾ・ソプラノ、1名
テナー、1名
バリトン3名
カウンターテナー、1名

7名がロンドンから、3名がウィーンからとなっていました。当たり前ですが、所属/出身校は、ロンドンとウィーンの名門校の名前、特にロイヤルカレッジ・オブ・ミュージック(ロンドン)とウィーン芸術大学ばかりが連なっていました。

リヒャルト・タウバーは第二次世界大戦前後にロンドンで活躍したユダヤ系オーストリア人のテナー歌手で、歌曲、オペラのみならず、オペレッタや作曲家としても活躍していた最中、1948年に56歳という若さで亡くなりました。ナチス・ドイツを逃れてロンドンに移り住んだオーストリア人音楽家とそれを支援するイギリス人によって設立された、アングロ−オーストリアン音楽協会はそんな彼の思い出を記念すべく、このコンクールを1951年に創立しました。

といういきさつ上、このコンクールでは、本選は、オペラアリアと歌曲をそれぞれ一曲ずつ披露する事になっていました。

最優秀賞を受賞したのは、南アフリカ人カウンターテナー、クリストファー・アインズリー Christopher Ainslie でした。彼が歌ったのは、イギリス人作曲家ジョナサン・ドーヴのオペラ「フライト」からのアリアとシューベルトのノクターン Nachtstück でした。

彼はたしかに他の歌手より頭一つ分抜け出ていました。だから、この結果は理解できます。

しかし、、、リヒャルト・タウバー・プライスは、審査員長も受賞発表の時に言っていましたが、シューベルト、シュトラウス、ヴォルフを生んだオーストリアだけに、ドイツ歌曲の普及に力を入れているはず。いくら優秀な歌手でもカウンターテナーが、歌える歌曲には限りがあります。声にはあうあわない領域というものがあって、今回のファイナリストの中でも、???という選曲をした人もいましたが、それにしても、、、審査は、本音と建前と、政治的判断といろいろ絡んだのであろうなというのがみえみえでした。

こんどは、彼の歌を彼のレパートリーで聴いてみたいです。シューベルトでなくってね。

二位を受賞したこれまた南アフリカ人ソプラノのサラ・ジェーン・ブランドン Sara-Jane Brandon は、その美しい持ち声でそつなく、シュトラウスのチェチーリエ Cäcilie とルサルカのアリア(ドヴォルザーク)を歌い上げて納得の受賞。また聴いてみたい歌手の一人となりましたが、もう少しスリムになったほうが歌いやすそう。歌っていて息が切れるのはどうも…。見た目もそこそこ大事だと思います。

受賞は逃しましたが、「フィガロの結婚」から躍動感に溢れる伯爵のアリアと、その対極にあるブラームスの子守唄 Wiegenlied を歌ったジェラード・コレットGerard Collett は、オペラと歌曲の両方で多彩な才能をみせて、これからが非常に楽しみな歌手です。(ちなみにダイドーとエネアスに出演していたローナン・コレットは、双子の兄弟です。)

同じく受賞を逃したオーストリア人ソプラノ、ニーナ・バーンシュタイナー Nina Bernsteiner は、選曲と伴奏者が良くなかったようで、よく伸びる美しい声の持ち主だけに残念でした。ドイツ語が母国語だとはいえ、やはりシューベルトの「魔王」は男声用の曲だと思いを新たにしました。冒険はほどほどに!

イギリスは比較的「伴奏者」Accompanistという分野が確立されていて、素晴らしい伴奏者が沢山活躍しているのですが、やはり今回のコンクールでも、イギリス側の伴奏者の質の高さが際立っていました。伴奏者賞を受賞したジェームズ・ベィユー James Baillieu は、(またまた南アフリカ出身!そういう土壌があるのかしら?)これまで何度か聴いた事がありますが、テクニックの確かさと、表現の幅の広さがすごく、いつ聴いても安定した演奏で、歌手もとても歌いやすそうでした。

個人的にコンクールは、受ける方の立場でも、聴く方の立場でも好きではないのですが、今から伸び盛りの若い歌手たちがウィグモア・ホールという素晴らしいホールで、一生懸命自分のベストを尽くす姿は、コンサートとして非常に見応えがありました。

しかしこの10人の歌手たちが一体どこまでプロとして活躍していけるのだろうか…と考えると複雑なものがあります。歴代の30人の優勝者の名前を見ても、見覚えがあるのは、数人のみ。このコンクールのファイナリストたちとくるとそれだけで300人を超えます。クラシックの本場ヨーロッパとはいえ、プロの道は大変厳しそうです。



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Friday, May 23, 2008

A Scottish Night~たまにはクラシックを離れて〜

21. 05. 2008 Luminaire, Kilburn

King Creosote Gig
with The Pictish Trail & Jon Hopkins




Songs performed included:

Leslie, Home In A Sentence, Cowardly Custard and Cockle Shell (from Bombshell)
Not One Bit Ashamed and Bootprints (from Kc Rules Ok)

For an encore he sang a medley of songs including…
Marguerita Red, Admiral and some others

It was such an amazing evening! His performance style was very relaxed with the audience chilled out and full of gentle laughter.
King Creosote is very special - he is an incredibly talented musician/singer songwriter but it seems that he is also able to maintian his life as normal as possible.
If you are interested in his music but have never heard of it, he has two major albums on general release called Bombshell and Kc Rules Ok.

I especially love "Admiral" (from Bombshell) so it was wonderful to hear him sing this song in front of me (only about 2 metres away!)

Many thanks L & J for taking me and L for introducing me to his music!! ;-)

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いつもはクラシック専門の私なのですが、友達に誘われてフォークロックのライヴに行ってきました。

キング・クレオソートは、スコットランド人のシンガーソングライター/ギタリスト/アコーディオン・プレィヤーです。
彼の曲は、とても耳なじみがよく、旋律が切ないくらい美しいのと、いろいろな要素がたくさん詰まったおもちゃ箱のような楽しさが同居しています。
もっともっと有名でもおかしくないのですが、きっと彼自身がそういう名声とかに興味がないのでしょう、こつこつと曲を作っては、CDRで限定版のアルバムを作り、ライヴでのみ売り出すという珍しいやり方をしている人です。

ライヴのあった、ルミネはかなりこじんまりとしているので、彼の演奏を目の前でみることが出来、その歌を生で感じることができ、ぞくぞくするくらい感動しました。

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Monday, May 19, 2008

A La Battaglia! ~戦いのとき~

5月18日 セント・マーガレット・チャーチにて
St. Margaret's Church, Westminster Abbey

戦いの時!A La Battaglia!

ザ・ウァルフィッシュ・バンド The Wallfisch Band
エリザベス・ウァルフィッシュ Elizabeth Wallfisch
イェステン・ディヴィズ Iestyn Davies

(曲目は前ポスト参照)



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評価:✩✩✭✭✭

最初に、私のブログの宣伝でこのコンサートにいらした方、ごめんなさい。
私の勉強不足で、てっきり歌のリサイタルかと勘違いして記載してしまいました。

蓋を開けてみれば、イェステン・ディヴィズが歌ったのはたった二曲のみ。そのどちらもがどちらかといえば地味なJohann Christoph Bachの作品だったのは非常に物足りなく残念でした。

アンサンブルのザ・ウォルフィッシュバンドは、この演奏会が、結成以来初めてのコンサートだったそうですが、たしかに変に力が入ってしまって、音楽も落ち着きに欠けていたように思いました。バンドを率いるヴァイオリニストのエリザベス・ウォルフィッシュは、少し音がきつく特に最後の無伴奏では、美しさよりもそれが気になってしまい集中できませんでした。

ただウェストミンスター・アベイ付属のセント・マーガレット教会はとても美しく、雰囲気は満点でした。聴衆の反応もそこそこ良かったので、歌のリサイタルを期待して出かけていっただけに、欲求不満のまま会場を後にした私の方が少数派だったのかもしれません。ビーバーの「戦いの時!」は非常にユーモラスな曲で、また是非聴いてみたいと思いました。






I was totally wrong about this concert! I expected to hear a recital of Iestyn Davies, a very promising young British counter-tenor, instead I sat down to listen to a concert of  many Baroque orchestral pieces with solo obbligato instruments, mostly the violin. 

The band leader, violinist Elizabeth Wallfish, sometimes sounded rather harsh and forced - perhaps it was partly because it was a first ever concert of the band but there were certain moments  in her own solo playing that lacked stylistic consistency. Although there were some beautiful playing by Jorgen Skogmo, Theorbo.

Davies only sang two arias - both by Johann Christoph Bach, the uncle of J S Bach. (See the previous post for the programme)
He sang beautifully throughout both pieces including some very high tessiature (vocal range) in the first song. His voice was free from being tense, strong yet flexible. I would like to hear his singing again but I am not sure I feel the same about the band.




日本語でも英語でもレヴューは初心者ですが、頑張ってぼちぼち鍛えていきますので応援どうぞよろしくお願いします。
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Tuesday, May 13, 2008

お勧めリサイタル- recommended!

5月18日(日)@午後7時
セント・マーガレット・チャーチ/ウェストミンスターアベィにて

A la Battaglia!
戦いのとき!

曲目

Biber:   Die Pauernkirchfahrt
Johann Christoph Bach:    Mein Freund ist mein
Schmelzer:   Die Fechtschule
Vivaldi:   Violin Concerto in D major, RV208 'Grosso Mogul'
Biber:   Battaglia
Schmelzer:   Lamento sopra la morte Ferdinandi III
JC Bach:   Ach, dass ich Wassers genug hätte
Biber:   Passagalia

出演

Iestyn Davies counter-tenor

The Wallfisch Band
Elizabeth Wallfisch violin & director


St. John's, Smith Square主催のLufthansa Festival of Baroque Music 2008の一環です。
ウェストミンスター・アベィの傍にあるSt. Margaret's Churchにて、若手カウンターテナーのイエステン・デイヴィスのリサイタル。カウンターテナーにしては力強い男性的な声を持つ彼の音楽は、気軽に上質のバロック音楽に触れてみたい人、そしてバロック音楽が好きな人、両方を惹きつけること間違いなしです。

Biberは17世紀後半に主にザルツブルグで活躍したボヘミア出身のオーストリア人ヴァイオリニスト&作曲家です。彼の作品のうち、ヴァイオリンソナタは特に良く知られています。Johann Christoph Bachは、かのJS Bachの親戚(遠縁の叔父?)で、オルガニストとして活躍するかたわら、作曲家としても優秀な作品を残しました。1642年生まれ、1703年に没しています。Schmelzerは、Biberより少し早い時期に活躍したオーストリア人、ヴァイオリニスト&作曲家です。ソナタ形式とスィート形式の発展に貢献しました。



チケットは£15で、予約の情報はHome Pageから可能です。
(予約の際、手数料£2かかるみたいです。当日開演前に購入も可、その場合は手数料はなし



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A la Battiglia!

Sunday 18th May 7pm @ St. Margaret's Church, Westminster Abbey


Iestyn Davies counter-tenor 
 

The Wallfisch Band
Elizabeth Wallfisch violin & director


Biber, JC Bach, Schmelzer & Vivaldi


Tickets £15 - online booking please click HERE!

This recital is a part of 'Lufthansa Festival of Baroque Music 2008'. 

Tuesday, May 6, 2008

Notice! ブログタイトル変更します

5月6日

The Concert Seen
というブログタイトルのわりには、この頃美術館巡りの話が多くなってきたので、タイトルを変更する事にしました。これからは、音楽も美術も含めたレヴューをという気持ちをこめて、The Arts Seenをどうぞよろしくお願いします。




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Welcome to my renamed and updated blog...

As you have probably noticed, I have changed the title of this blog from The Concert Seen to The Arts SeenI have realised recently that I've been writing quite a lot of reviews about paintings and drawings as well as recitals and operas. It is partly because of the fact that most of the museums and galleries in UK are FREE, but also I am beginning to realise that there are so many wonderful exhibitions to experience in London... and in the world!

Sorry, those who keeps checking my blog just in case I have written something in English. I meant to write more in both languages but I've found it very difficult to write a direct translation from Japanese. It's not just because the grammar of both languages is totally different but also the contents I'd like to put across seem to get 'lost in translation' to coin a familiar phrase. I promise that I will try to write more in English from now on. And I hope you don't mind my attempts to review exhibitions as well as concerts. 


Sunday, May 4, 2008

Blissful time 〜ロスコに囲まれて〜


5月4日 テートモダン Tate Modern

午後、急に思い立ってテートモダンに行きました。ロンドンの美術館/博物館は基本無料なので、こういう時に気軽に足を運べるのがうれしい限りです。


レベル3の常時展には、ロスコ・ルーム Rothko Roomがあります。(写真はテートモダンのHPから)




マーク・ロスコMark Rothko (1903-1970) はAbstract Expressionism(抽象表現主義)に分類されるアメリカ人画家です。彼の絵は、シンプルな四角形で現される事が多く、またサイズがかなり大きいのも特徴の一つです。

見れば見る程いろいろな風に解釈できるこのシンプルきわまりない9枚の絵たちが、ロスコの指示に従って一つの部屋の壁をぐるりと取り囲むように展示され、さらにぐっと落とされた照明によって、そこだけ全く周囲と切り離された空間となっています。

そこはまるで、ある種の神殿のように、静けさと荘厳な雰囲気に満ちていました。私は故郷の神社にいるような錯覚にとらわれました。シンプルな構図と色の組み合わせなのに、見れば見る程不思議な気分になります。またいつか、帰ってきたい場所となりました。


テートモダンでは、9月26日〜2009年2月1日まで特別展でロスコを取り上げるようです。詳しくはこちらから。




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Saturday, May 3, 2008

Coming of Age 〜アメリカン・アートの足跡〜


4月30日 ダリッジ・ピクチャーギャラリー Dulwich Picture Gallery

特別展:Coming of Age / American Art, 1850s to 1950s

3月14日〜6月8日 (ホームページはこちらから)

1850年代から1950年代までのアメリカの芸術家たちが、どのようにヨーロッパからの影響を受けつつ彼ら独自のアートを形成していったかを年代ごとに追ったエキシヴィジョンです。


最初のネオ・クラシック/印象派調の部屋に入ると、まず目に飛び込んできたのが、
このウィンスロー・ホーマー Winslow Homerの絵「西風 The West Wind (1891)」。




まるでモネのポピー・フィールドを彷彿とさせる構図ながら、ホーマー独特の筆使いによって、草原をわたる風の荒々しさが表現されています。

他に記憶に残ったのは精巧さと光の効果が際立ったトーマス・エーキンズ Thomas Eakinsの「ピアノの前のエリザベス Elisabeth at the Piano (1875)」でした。

最初の小部屋を抜けて進んでいくと・・・

まず目に入ってくるのは、エリー・ナーデルマン Elie Nadelmanの「椅子に座る女性 Seated Woman (ca. 1919-25)」です。 その優雅な木製像は、女性の身体が発するおおらかな母性と女性美を体現していて、思わずそのすべすべした表面に手を触れたくなります。

ジョン・シンガー・サージェントJohn Singer Sergentの非常に暗示的な絵「Val d'Aosta: A Man Fishing (ca. 1906)」はヴィヴィッドな色が、暑くて気だるい午後を見事に表しています。男がつり上げたのは、魚でしょうか、それともそばに横たわっている・・・?


ジョン・スローン John Sloanの「Sunday, Woman Drying Their Hair (1912)」は、その普遍な題材に親近感を覚えるとともに、1910年代当時のアメリカがしのばれ、興味深いです。


もう少し年代が進んでいくと、アメリカらしさがより深まっていくのが分かります。
中でも一番印象に残ったのは、エドワード・ホッパー Edward Hopperのこの絵。

Manhattan Bridge Loop 1928
なんとも整然とした構図といい、ニューヨークらしさがプンプンする風景といい、やはりホッパーは別格だと思います。
ホッパーから後は、まさに私好みのオンパレードで、また一つ一つ挙げていくときりがないのですが、中でも、ジョージア・オキーフGeorgia O'Keefeは、長い間好きだったのですが実際の絵を初めて見たら、100倍以上素晴らしかったです。

フランク・ステッラ Frank Stella、ジョセフ・アルバーズ Joseph Albers、マーズデン・ハートリー Marsden Hartleyなど今まで名前は聞いていてもきちんと知らなかった画家の作品も非常に楽しめました。

今、大英博物館で、アメリカンプリントの特別展が開かれているそうなので、そちらもあわせてみて見ると楽しみが倍増しそうです。





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Wednesday, April 30, 2008

Wigmore Hall ウィグモアホール、コンサート

4月29日 ウィグモア・ホール Wigmore Hall

ヘンリー・パーセル:
来れ、芸術の子よ Come ye Sons of Art

ダイドーとエネアス Dido and Aeneas(コンサート形式)

ダイドー:サラ・コノリー Sarah Conolly 
エネアス:ローナン・コレット Ronan Collett
魔法使い:ダニエル・テイラー Daniel Taylor 
ベリンダ(侍女)/魔法使い1:エリン・マナハン・トーマス Elin Manahan Thomas
魔法使い2/第二の侍女:ジュリア・ドイル Julia Doyle

アンサンブル:ガブリエリ・コンソートGabrieli Consort & Players
指揮:Paul McCreesh

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評価:☆☆☆☆☆

「来れ、芸術の子よ」は、初めて聞きましたが、声楽アンサンブル曲でソロと二重唱が上手くアレンジされ楽しめました。が、今日の目当ては「ダイドーとエネアス」でダイドーを歌うサラ・コノリー!後半が待ちきれませんでした。

サラ・コノリーは、ギリシア風の白いドレス姿も優美で憂いがちなダイドーぴったりで、とにかく声が豊かで美しく、もっともっと聴いてみたい歌手の一人となりました。長い間ENO(イングリッシュ・ナショナル・オペラ)で活躍していて、40歳を過ぎた今年やっとコヴェント・ガーデンにデビューする遅咲きの歌手ですが、素晴らしい声の持ち主というだけでなく、人柄もおっとりとして素敵でした。

実力としては頭一つ以上抜けている彼女に対して、若手中心の歌手を回りに集めた今回の人選は、蓋を開けてみれば、大成功だったように思います。エネアスを歌ったローナン・コレットは、若さの溢れた力強さと柔らかみのある歌唱が印象的でした。また魔法使いを演じたカナダ人のカウンターテナー、ダニエル・テイラーは、音楽的に弱い魔法使いのパートを天性の(?)演技力でとても盛り上げて、観客を強力に惹きつけていました。カウンターテナーというより、もっと高い音域の声の持ち主で、ソプラノ歌手が霞んでしまうくらい強烈でした。

ベリンダともう一人の侍女を歌った二人のソプラノ歌手はどちらも、Early Music向きの声で、個人的にはあまり好きなタイプの声ではないのですが、アンサンブルとして良かったと思いました。ガブリエリ・コンソートの演奏も安定していて素晴らしかったです。

ウィグモアホールがここまで満杯になったのは正直初めて見ましたが、観客の反応もとてもよく、イギリスでパーセルなどEarly Musicが人気なのを再認識しました。

ダイドーとエネアスのあらすじについては、またそのうちに。

サラ・コノリーのコヴェント・ガーデンデビューは、ダイドー役らしいので、興味のある方、とてもお勧めです。彼女の名前を一気にポピュラーにした、グラインドボーンでの伝説のジュリオ・チェザーレはこちらからどうぞ!DVDも発売されています。彼女の歌をもっと楽しみたい方、Early Music/ヘンデルに興味のある方には、このCDもお勧めです。



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Thursday, April 17, 2008

Barbican バービカンにて(改訂版)

4月17日 バービカン Barbican 

フラヴィオ、ランゴバルディの王 (ヘンデル、1723年)

Handel: Flavio, re de' Langobardi


指揮:クリストファー・ホグウッド  Christopher Hogwood 

フラヴィオ:イェステン・デイヴィス    Iestyn Davies
グイド:ロビン・ブレーズ                 Robin Blaze
エミーリア:カリーナ・ゴヴァン      Karina Gauvin
ヴィティージェ:メーテ・ボーモン      Maite Beaumont
テオダーラ:レナータ・ポクピッチ      Renata Pokupic
ウゴーネ:ジェームス・ギルクリスト   James Gilchrist
ロターリオ:ジェームス・ラザーフォールド James Rutherford

アンサンブル:古楽アカデミー Academy of Ancient Music

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評価:✩✩✩✩✭

ソリストがそれぞれ良かったです!

コンサート形式なのに、ちょっとしたお芝居がさりげなく織り込まれていて、観客の笑いを誘っていました。バービカンの大きなホールでは、やはり演奏の音が小さめでしたが、それも気にならないくらい、生き生きとした演奏で、とても楽しめました。

タイトルロールのフラヴィオと(ある意味)主役のグイドは、カウンターテナーによって歌われる役なのですが、男っぽい王様のフラヴィオには、強い声のデイヴィスが、ちょっと気弱な(?)青年のグイドには、優しい声のブレーズが、というようにうまく配役されていたように思います。

エミーリアを歌ったゴヴァンは、ピンチヒッターだったらしいのですが、吸い込まれるような美しい声で、それでいて芯の強い女性像がよく表現できていたように思いました。第二幕終わりの、父を許嫁に殺された悲しみを切々を訴えるアリアが特に素晴らしく美しかったです。

あらすじ(ネタ…というほどでもないけれど、ばれてます)

悲劇と喜劇の交錯するこのオペラは、
グイドとエミーリアの悲劇的な愛と、ヴィティージェ(メゾで歌われましたが、オトコです)とテオダーラの秘密の愛とそうとは知らずにテオドーラに夢中になる王様フラヴィオの三角関係という、元々2つの話を元にしてできたそうです。


グイドとエミーリアは、それぞれの父親が王様の腹心の家臣で、二人の結婚バナシがめでたくまとまって…というところからはじまるこのオペラ、


王様が、空きが出たイギリス総督に、グイドの父ウゴーネを、エミーリアの父ロターリオを差し置いて、任命したところから段々と雲行きが怪しくなり、ついにはウゴーネを殴った仕返しにグイドが将来の義理の父を刺し殺してしまいます。

憎い父の敵が、自分の愛するグイドだとしったエミーリアは、復讐と愛の狭間で苦しみ、またグイドも罪の意識に苦しみエミーリアに殺してほしいと頼んだりと、二人とも苦しみますが(短調でゆったりと重苦しい音楽が堪能できます)、王様の賢い判断で、最後には愛が勝ちます。

自分が惚れたテオダーラが実は、家臣のヴィティージェと相思相愛だと発見した王様、広〜い心で、二人の愛を祝福します。っていうか、王様にはお妃様がすでにいるのにテオダーラに「妃に迎えさせてくれ」って言っちゃっていいの?!

そんなばかな!という話もオペラと思えば、楽しいものですね。

今回は3階のバルコニー席で、11ポンドでした。舞台もちゃんと見れたし大満足です。




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