Saturday, May 3, 2008

Coming of Age 〜アメリカン・アートの足跡〜


4月30日 ダリッジ・ピクチャーギャラリー Dulwich Picture Gallery

特別展:Coming of Age / American Art, 1850s to 1950s

3月14日〜6月8日 (ホームページはこちらから)

1850年代から1950年代までのアメリカの芸術家たちが、どのようにヨーロッパからの影響を受けつつ彼ら独自のアートを形成していったかを年代ごとに追ったエキシヴィジョンです。


最初のネオ・クラシック/印象派調の部屋に入ると、まず目に飛び込んできたのが、
このウィンスロー・ホーマー Winslow Homerの絵「西風 The West Wind (1891)」。




まるでモネのポピー・フィールドを彷彿とさせる構図ながら、ホーマー独特の筆使いによって、草原をわたる風の荒々しさが表現されています。

他に記憶に残ったのは精巧さと光の効果が際立ったトーマス・エーキンズ Thomas Eakinsの「ピアノの前のエリザベス Elisabeth at the Piano (1875)」でした。

最初の小部屋を抜けて進んでいくと・・・

まず目に入ってくるのは、エリー・ナーデルマン Elie Nadelmanの「椅子に座る女性 Seated Woman (ca. 1919-25)」です。 その優雅な木製像は、女性の身体が発するおおらかな母性と女性美を体現していて、思わずそのすべすべした表面に手を触れたくなります。

ジョン・シンガー・サージェントJohn Singer Sergentの非常に暗示的な絵「Val d'Aosta: A Man Fishing (ca. 1906)」はヴィヴィッドな色が、暑くて気だるい午後を見事に表しています。男がつり上げたのは、魚でしょうか、それともそばに横たわっている・・・?


ジョン・スローン John Sloanの「Sunday, Woman Drying Their Hair (1912)」は、その普遍な題材に親近感を覚えるとともに、1910年代当時のアメリカがしのばれ、興味深いです。


もう少し年代が進んでいくと、アメリカらしさがより深まっていくのが分かります。
中でも一番印象に残ったのは、エドワード・ホッパー Edward Hopperのこの絵。

Manhattan Bridge Loop 1928
なんとも整然とした構図といい、ニューヨークらしさがプンプンする風景といい、やはりホッパーは別格だと思います。
ホッパーから後は、まさに私好みのオンパレードで、また一つ一つ挙げていくときりがないのですが、中でも、ジョージア・オキーフGeorgia O'Keefeは、長い間好きだったのですが実際の絵を初めて見たら、100倍以上素晴らしかったです。

フランク・ステッラ Frank Stella、ジョセフ・アルバーズ Joseph Albers、マーズデン・ハートリー Marsden Hartleyなど今まで名前は聞いていてもきちんと知らなかった画家の作品も非常に楽しめました。

今、大英博物館で、アメリカンプリントの特別展が開かれているそうなので、そちらもあわせてみて見ると楽しみが倍増しそうです。





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