Thursday, February 25, 2010

ピアノリサイタル@RFH

2月22日 ロイヤル・フェスティバル・ホールにて

International Piano Series

Krystian Zimerman クリスチャン・ツィメルマン

Programme

Fryderyk Chopin: Nocturne in F sharp minor, Op.15 No.2

Fryderyk Chopin: Piano Sonata No.2 in B flat minor, Op.35 (Marche funèbre)

Fryderyk Chopin: Scherzo No.2 in B flat minor, Op.31

Interval

Fryderyk Chopin: Piano Sonata No.3 in B minor, Op.58

Fryderyk Chopin: Barcarolle in F sharp, Op.60


Encore: Waltz C# minor


ショパンの生誕200周年記念の目玉は、現代最高峰といわれる二人のピアニストによるショパンの誕生日コンサート(ショパンの誕生日には、2説あるため)第一弾は、ポーランド出身のクリスチャン・ツィメルマン。何かとエキセントリックな側面にスポットライトがあたり、謎めいたその人柄にも興味津々だったが、初めて見る/聴くツィメルマンは、評判に違わない素晴らしいアーティストで、私にとってはこれまでで最高のコンサートの一つとなった。

満員のフェスティバル・ホールを、天井近くのバルコニー席(なんと£13にて購入!)から見下ろすと、それだけで目眩しそうなくらいだったが、舞台にさっそうと現れたツィメルマンは、自宅にでもいるように、リラックスした表情で最初のノクターンを披露し始める。非常にポピュラーなこの曲は、これまで何人ものピアニストが弾くのを聴いてきたけれど、その全てが遠い遠いかすかな記憶となってしまうくらい、もの凄い演奏だった。テクニックも、表現も、その全てが、まさに現代最高のピアニストにふさわしい。そんなツィメルマンの魔力にいい具合に脳をめちゃくちゃにされた一夜だった。めったにアンコールを弾かないらしいが、誕生日コンサートに敬意を表したのか、ワルツ嬰ハ短調をおまけにさらっと弾いて去って行った。その清々しい去り際から、本物のProfessional魂を垣間みたように思った。


面白いなぁと思うのが、IndependentとかTelegraphに出た、reviewがそこまで評価していないこと。特に、Telegraph Blogでは Krystian Zimerman: what a weirdoというタイトルまで付けられている。いつもながら、超一流の演奏ほど、評価がぱっくり分かれるというセオリーを見せつけられる思いだ。。。 


来週の月曜日(3月1日)は、誕生日コンサート第2弾。マウリツィオ・ポリーニが登場する。去年聴きに行って、そこまで感銘を受けなかったので、今年はパス。その次のリサイタルは、16日のユンディ・リ改めユンディのリサイタル。(てか、「・リ」を取っただけじゃんと思うが、、、)これもオール・ショパンで楽しみです。

Wednesday, February 17, 2010

ヴァレンタインのサプライズ

友人
− 今年のヴァレンタイン、何か予定あるの?

オット
− いちおう考えてるんだけど、サプライズなんだ。

という会話を漏れ聞いた(家計に敏感な)ツマ

− ヴァレンタインのサプライズ・プレゼントには、何か大げさなものでなくて、例えば、10ポンドくらいで収まるものにしてね。。

と念押し。

それが、先週の話。

さて迎えたヴァレンタイン・デー

とっておきの秘密の隠し場所からオットがツマに差し出したものは、、、

Every Good Boy Deserves Favour @ National Theatreのチケット!!!

EGBDFという頭文字は、音楽を読んだことのあるニンゲンならおそらくピンと来るはず、そう、五線譜の一般的な音の順序(ト音記号を使う方)なのです。Every Good Boy Deserves Favourと意味を持たせる事で、音の位置を覚えよう!というのから生まれた言葉なのですが、それをタイトルに持ってきたお芝居、となるとおのずから音楽が重要な意味を持って存在します。

そんなわけで、イギリス演劇界きっての大御所Tom Stoppard(トム・ストパード)が作曲家アンドレ・プレヴィンの依頼に応えて書いたこの作品、なんと舞台上にオーケストラも出演するという珍しいスタイルなのです。
去年、ナショナル・シアターで上演されて、それが高い評判となり、先月からまた再演がかかる事になったのは知っていましたが、まさかチケットが、それもヴァレンタイン・デーに取れるとは予想してなかったので、本当にサプライズでした。しかも、チケット代は一人10ポンドとお得。(しかも指定の予算内!)音楽と演劇がみごとに融合された舞台を堪能しました。

内容:
旧ソ連時代、反体制主義者である事は精神病であるとして、精神病棟にむりやり収容されたアレクサンダー・イヴァノフが、同じ個室を同名のイヴァノフと共有するところから話ははじまります。イヴァノフは、本物の統合失調症を患っており、目の前にオーケストラがいつも現れてしまうのです。超気真面目でシリアスなアレクサンダーと、幻のオケを引き連れたイヴァノフのそりが合うはずもなく、話はずっとずれたまま、医者、KGB幹部、アレクサンダーの息子(けなげに父を信じつつも、周囲の影響で段々と父が精神病でないという信念をゆるがせられてしまう)を巻き込んで、信じられないエンディングを迎えます。

アレクサンダー役は、テレビのAnti-drinkキャンペーンのCMでおなじみのAdrian Schiller。
素晴らしい役者さんでした。


Friday, February 12, 2010

Six Nationsはじまる


RBS Six Nations Official Websiteより

2009年は、アイルランドが全勝優勝グランドスラムを達成!ウェールズ戦の最後の最後まで、ハラハラドキドキの連続で、楽しませてくれた。さて、今年優勝するのは、どの国(というか地域?)??

初戦の結果

2月6日( 土)
アイルランド vs イタリア X
イングランド vs ウェールズ X

7日
X スコットランド vs フランス

アイルランド・イタリア戦は、初戦ということもあるのか、ちょっと試合運びも遅くてどちらもあまりぱっとしなかったけれど、昨年優勝の
アイルランドが優勢を保って余裕の初勝利。イングランド・ウェールズ戦は、ウェールズが意外に苦戦。イングランドの善戦もあって、イングランドの余裕の勝利。Jonny Wilkinsonが、すっかり本調子に戻ってきたのが頼もしいかぎり。
Wilkinsonといえば、このポーズがお決まり。

2003年ワールドカップ。イングランド初優勝。歓喜に包まれ、興奮に酔いしれていた土地に降り立った私は、この興奮の渦にあっという間にのみ込まれラグビーを一気に身近に感じるきっかけとなったのです。ルールもすべて当時彼/今オットに教わったもの。でもなぜかイングランドにいながらにして、お気に入りのチームはアイルランド。
チームカラーのグリーンもさることながら、アイルランド戦で流れる'Ireland's Call'になぜか懐かしい気持ちになるのです。イギリス連邦の一部となったノーザン・アイルランドとアイルランドは、長く悲しい分断の歴史が今も現在進行中ですが、ラグビー(他のスポーツでもそうなのかしら。。)では統一チームとしてプレーしているのもまた特別な意味があるように思えます。