Saturday, November 8, 2008

Concert @ Queen Elizabeth Hall

(写真はBB Trust Homepageより)
6th November 2008
Mitsuko Uchida and Friends

Mitsuko Uchida      piano
Soovin Kim          violin
Martin Fröst         clarinet
Christian Poltéra   cello
Llyr Williams        piano

programme:

Liszt La Lugubre Gondola 悲しみのゴンドラ
Bartók Contrasts コントラスツ
Messiaen Quatour pour la fin du temps 時の終わりのための四重奏

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なんとも気合いのこもったというか、白熱した、というか緊張感にみちた、不思議なコンサートでした。コンサートは、若手(だと思うが、その割には老成した雰囲気)のピアニストLlyr Williamsによるリストで始まりました。なんだか普通でない雰囲気は、彼が、最初の音を鳴らしたとたんにもわもわもわ、、、、と立ち昇りそれはやがて会場全体を覆う異様な緊迫感となって私に襲いかかって来たように感じました。ピアノの技巧や、感情表現など、何度考えても【異様】としか形容しがたい演奏で、正直あまりの息苦しさに、演奏が終わった時はほっとしました。
次のバルトークは、ピアノ、ヴァイオリン、クラリネットの三重奏で、ヴァイオリンのSoovin Kimが特に光っていたように思いました。彼の細やかなコミュニケーションの取り方や、時には鋭く、時には優しさに満ちた音の多彩さは、決して派手ではないけれど、記憶に残りました。若手クラリネット奏者のMartin Fröstは、最初弾き始めた時は、摩訶不思議な演奏スタイル(まるで必死にトイレをがまんしているような足腰の動き)にあっけにとられましたが、音に集中して聴いていると、確かに訴えかけてくるものがありました。

休憩後は、内田光子さんのピアノにヴァイオリン、チェロ、クラリネットでのメシアンの大曲「時の終わりのための四重奏」でした。さすが内田光子さん!貫禄たっぷり、ちょっと異様な感情表現も板について若い3人が霞んでしまう程の存在感でした。並んで立っているところなど、小柄なお母さんと、よく育った息子たち、といった和やかな雰囲気ながら、一旦曲が始まると、演奏中は会場が水を打ったように静寂に包まれ、(曲間の咳払いの激しさには、正直参りましたが、、、)その緊迫感と集中力は凄いパワーでした。

メシアンは、正直一日働いてくたくたの頭には少々チャレンジがすぎましたが、こうして、次の世代を担うだろう若手が、内田光子さんという大きな存在に、それに負けないくらいのパワーで向かっていく、そんな雰囲気がとても新鮮でした。

今回のコンサートは、元々、内田光子さんとスパゲッティで有名なBuitoniの関係者が始めた奨学生制度BB Trustに選ばれた若手演奏家たちが、若手+内田光子さんという形態で、各地で催されているコンサートの内の一つであり、サウス・バンクが音楽事務所インタームジカと共に企画しているInternatinal Chamber Music Seasonの一環でもありました。今シーズンとしては、来年の1月20日に、次のコンサート「タカクス・カルテット(Takacs Quartet)によるハイドン、リム、シューマン」が予定されてます。いづれのコンサートも、Queen Elizabeth Hallにて開催です。
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ところで、先週から今週末にかけては、ガイ・フォークスのお祭りのため、毎晩のようにあちらこちらで花火があがってます。「花火=たまや〜〜〜〜!=夏!!!」というのが当たり前の日本育ちとしては、11月に見る花火とは未だに不思議な気分でいっぱいですが。しかも、雨が降ろうと風がきつかろうと、そんなことおかまいなしなのも、すごいです。。。今もまだ彼方からドンドンという音が、雨音にも負けず届いてます。

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