Sunday, August 17, 2008

アート巡り番外編〜バルセロナ〜①

Fundació Joan Miró (Joan Miro Foundation)


バルセロナ出身で世界的に有名と言えば、まっさきにピカソが思い浮かぶかもしれませんが、ちょっととぼけた様なユニークな作風が特徴のホワン・ミロ(1893−1983)もまた、バルセロナにゆかりのあるアーティストです。そんなミロの、絵画にとどまらない広範囲にいたる作品群を見る事が出来るのが、バルセロナの小高い丘Parc Montjuïc にある、ホワン・ミロ・ファンデーションです。

入り口では、こんな銅像が出迎えてくれます。


ミロの作品は、彼の強い好奇心がそのまま反映されたように、題材も素材も多方向に及びます。彼の若いときの作品(まだ抽象画になるまえ)から、「絵というものの破壊」に向かった青年期を経て、シュルレアリズム(超現実主義)による、シンプルな円やカラーの中に彼なりのユニバースを凝縮したようなの抽象画の数々や、セラミック、彫刻などを一気に楽しむ事ができます。自然光を程よく取り入れた館内は、ひんやりと涼しく、また白壁に奔放なカラーのミロの作品がよく映えていました。

まず、入ったところにこんなタペストリーが。このファウンデーションが建立された時に特別に作ったそうです。




正面に見える絵は、「太陽の前の人物像」と言う題名がついていますが、私には、どう見てもかがんだ状態の人のように見えます。私は、抽象画が、写実画に比べて、より自由に絵を解釈する事が許されているように思い、そののびのびとした世界が特に好きです。

ビビッドな色彩と、奔放な筆遣いから、ミロの複雑で非常にアーティスティックな感性がかいま見れるように思います。中には、水墨画を思わす白地に黒でデザインを描いた物もありました。

ミロは、青年期以来、パリに長く在住し沢山のアーティストとも交流がありました。その後、フランコ政権のスペインを避けて、生涯のほとんどをマヨルカで過ごしたそうですが、バルセロナのある、カタルーニャ地方の伝統文化を愛し、自身もカタラン・アーティストであると自負していたそうです。彼の作風は、シュルレアリズムの部類に入りますが、同じシュルレアリズムとはいっても、同じカタルーニャ地方出身のサルバトール・ダリのように現実にはありえない構図で写実的な絵画を描くのではなく、より抽象画に近い方に発展していきました。

この「鳥」と題された大理石(?)彫刻は、その温かくてのびのびとした形がとても印象的でした


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