Monday, November 9, 2009

善き人のためのソナタ


Das Leben der Anderen / The Lives of Others


20年前の今日(11月9日)、ベルリンの壁が崩壊。子供だったくせに、テレビに映るニュースを見ながら、あり得ない事がこんなにあっけなく起こったんだ、という不思議に乾いた思いを抱いた事を覚えている。あっという間に20年が経ち、東西ドイツの分離、戦争の傷跡はどんどん風化されていく。マルクだった通貨は、すっかりユーロが定着した。ベルリンの壁はなくなって東西の融合が進んで、私たちの次の世代にとっては、ベルリンの壁は、単なる歴史の一ページになってしまうのかもしれない。負の記憶の浄化は、前へ前へ進んでいく事でしかなされないとは思う。だけど、すべてを風化し忘れるべきではない。

初めてこの映画を観たのは、一年くらい前だが、その時のショックはまだ昨日の事のように鮮やかに記憶に残っている。映画の中の世界はどれだけ精巧に作られてようと所詮虚構である。しかし、東西の俳優・スタッフが集結して創られたこの映画には、彼らのリアルなストーリーが、虚構の世界に見え隠れし、ただのストーリーを超えたパワーが宿っているように思えた。この映画をまだ見た事がないならば、内容について何も調べないまま観ることを、そして大切な人と観る事をお勧めします。


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