Saturday, January 16, 2010

@BFIにて小津監督の作品が多々上映中

BFIでただいま小津安二郎特集をやっているので、「東京物語」を観に行きました。
Film Season: Yasujiro Ozuと題して、初期の小津作品(戦前)から小津に影響を受けた他の監督たちの映画まで、いろいろやっています。特に「東京物語」は1月の終わりまで、「秋日和」は2月まで上演されているようです。

「東京物語」

オープニングの尾道の風景からしてもう懐かしいというか切ないくらい純日本で。親子/他人の絆というテーマは、あまりにも人の真理をついていて、親を離れ地球の裏側に落ち着いてしまった子としてはかなり胸を突かれる思いでした。

有名なtatami-shotとしてコチラでも知られるローポジションからの茶の間風景や、こんなに美しいものだったのか!と驚嘆した日本語の台詞など、まるでその1コマ1コマが宝石のような煌めきをはなって最初から最後まで目(と心)を奪いました。西洋人には、時折特異に映ることもある「日本(人)らしさ」ー とある有名なピアニストは日本を訪れて演奏することを「最初の一週間は、まるで天国にいるみたい、皆親切で心をこめたおもてなしで、、、、でもその一週間がすぎると、まるで黄金の檻に入れられているように思い始める。なんというか、あまりにも全てが完璧で、自由になる余地がなく、人はオモテの面だけみせていつも笑顔で、本当の人間性が見えない。」と言っていたらしいけれど、そういうオモテとウラ、建前と本音という日本の社会の有様が、この映画に自然に存在しているからこそ、こうやって日本を超えて評価が高いのだと思いました。

寒さも和らぎ、暗くて灰色で惨めなでも寒く無いという典型的なロンドンの1月となってきましたが、January Bluesを吹き飛ばすには、古き良き日本の風景でもどうでしょうか。

No comments:

Post a Comment

気軽にコメントください。コメントは承認後表示されますので、少々時間がかかるかもしれません。このブログの内容に関係のないコメント等は、あらかじめ削除させていただきます。