Friday, February 20, 2009

ピアノリサイタル@QEHにて

2月18日
クイーン・エリザベス・ホールにて

Martin Helmchen, piano 

マルティン・ヘルムヒェン、ソロリサイタル

バッハ:パルティータ第6番ホ短調
メシアン:嬰児イエスに注ぐ20のまなざしより、
17番、沈黙のまなざし、18番、恐るべき塗油のまなざし、15番、嬰児イエスのくちづけ
〜休憩〜
シューマン:アラベスク、ハ長調
シューマン:交響的練習曲(遺作含)

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ドイツ人若手ピアニスト、マルティン・ヘルムヒェンが、Southbank Centreで定期的に開かれているInternational Piano Seriesに出演。最初のバッハは、指がもたついたのか、あれ?という感じだったけれども、メシアン、シューマンと後半に近づくにつれて、パワフルで想像力豊かな演奏を聞かせてくれたように思った。できればメシアンは、暗譜で弾いてほしかったけれども、あのあまりにも複雑な音楽の造りをすっきりとまとめて見せてくれたところは、特筆に値すると思う。後半のシューマンにしろ、彼の弾き方は、よく言えば明朗ではっきりしゃっきりして気持ちがいい、悪く言えば、しっとりさに欠け、機能的すぎる、そして鍵盤をばしゃばしゃ叩いている気がしないでもない、、、でもシューマンは、我を忘れるくらい、その世界に引き込まれ、特に交響的練習曲は、長い作品なのに、解釈が非常にヴァラエティーに富んでいて、あっという間に終わったような気がした。

若い世代の音楽家の演奏は、未熟なところと卓越したところが混じり合い、終わるまで何がどうなるか分からないギャンブル要素があるところが、楽しみなのだと思う。でも、いつでも、シューマンとかバッハとかよりも、新しいものが聴きたいと思うのは私だけだろうか?そう思うと、メシアンがたったの三曲、しかも楽譜付きだったのが残念に思える。

次のInternational Piano Seriesは、3月4日、ピアノ界の大御所マウリツィオ・ポリーニによるリサイタルなので、一見(聴?)の価値ありなのだが、レパートリーはベートーヴェン、シューマン、ショパンと、少し聞き飽きた感がないでもない。

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