Thursday, April 3, 2008

コンサート番外編〜パリ〜


3月30日
ハープシコード・リサイタル
@テアトル・ドゥ・ラ・ヴィーユ in モンマルトル

アンドレアス・シュタイヤー Andreas Staier (harpsichord)

バッハ:トッカータ ホ短調 BWV914 
スカルラッティ:ソナタ ホ短調 K394
ソナタ ホ長調 K395

バッハ:コラール・パルティータ"おお神よ、慈しみ深き神よ" BWV767
スカルラッティ:ソナタ ヘ長調 K518
ソナタ ヘ短調 K519

バッハ:カプリッチョ〜敬愛する兄の旅立ちにあたって〜 BWV992

スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K141
ソナタ イ長調 K208
ソナタ イ長調 K209

バッハ:トッカータ ニ長調、BWV912
スカルラッティ:ソナタ ロ短調、K87
ソナタ ハ長調、K460
ソナタ ハ長調、K461

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評価:✩✩✩✩✭

ハープシコードによるバッハとスカルラッティ。古楽器の名手シュタイヤーによって、その魅力をたっぷり聴かせてくれました。使用したハープシコードは、実際の古楽器でなく、型を模造して作られた新しい楽器だったようですが、その音の美しさは秀逸でした。ピアノと違って、強弱の調節ができないハープシコードなのですが、シュタイヤーは調節ピン(鍵盤の両端についているもの)をそれぞれの音楽に合うようにこまめに調節して、単調さを免れていました。ハープシコードを演奏する時に、必要な技術の一つが装飾音の加え方なのですが、シュタイヤーの装飾方法は、派手すぎず地味すぎず、それでいてバラエティに富んでおり、観客に飽きさせませんでした。

ドミニコ・スカラッティは、音楽史上でも特異な存在だそうですが、(歴史上にぽつんと現れ、その後継者などは特に見当たらないという意味で)その単純な音楽の中に何とも言えない様式美を見たように思いました。バッハのトッカータは、そのどれもが複雑怪奇なパズルを読み解いていくマジシャンのような演奏で、思わずコンサートにいる事を忘れて身を乗り出して聴いていました。

テアトロ・ドゥ・ラ・ヴィーユは、小さめの規模のモダンな劇場でしたが、スタッフの対応もよく、非常に観やすかったです。

アンドレアス・シュタイヤーの奏でるソナタ イ長調 K208はこちらから聴けます。

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