TVドラマに影響されて、本の方も手に取ってみた。
エリザベス・ギャスケルの「North and South」
こんなに夢中になって読んだの、何年ぶりだろう〜ってくらい一気読み。
1850年代に書かれたこの恋愛小説、たしかに文体は古いけれど、だけれどそれをぶっとばすくらいの重厚さとパワーがあった。100年以上、生き残って未だにその新鮮さを失わないのは、その時代を正確に切り取った筆力と、登場人物の造形がしっかりしているからだろう。
18、19世紀の文芸系は、やはり現代の英語とはかなり隔たりがあるので、私のように英語を外国語として学んだ場合だけでなく、イギリス人であっても、ストーリーラインを追う以前に、単語や表現につまずいてしまう事が多々あるようである。ジェーン・オースティンや、ディケンズ、ギャスケルあたりは、中学・高校あたりの国語(この国の場合、英語だけど)の授業で習うので、課題としてしぶしぶ読んだっきりというもったいない話をよく聞く。日本でいう、夏目漱石や森鴎外あたりだろうか。
そのため、大人になってから、やや邪道ながら、BBCなどの文芸コスチュームドラマを見て、大体の話をつかんだ上で、原作を再び手に取る人も多いようである。(そこら辺、NHKの大河ドラマをみて、吉川英治や司馬遼太郎の原作を手に取る日本人とよく似ているような気がする)
私も、Colin Firthを不朽のMr DarcyにしたTVドラマPride and Prejudiceを見て、原作の『高慢と偏見』(ジェーン・オーステン)を読んで以来、ほとんどの英国産文芸大作は、ドラマを見てから、原作を読んでいる。話の行方が分かっているので、その分多少英語が難しくてもそれを気にする事なく楽しめるのがいいのでお勧め。
(BBCドラマのNorth and Southトレーラーをprevious postに追加しました。Enjoy!)